9月15日、フランス・ニース。50mプールに会場中の注目を集める2つの影があった。潜水距離を競う「ダイナミック・ウィズ・フィン」で同時スタートした平井美鈴と廣瀬花子だ。水中でプールを往復していた平井が浮上すると、マスクを外し、親指と人差し指で円を作ってジャッジに告げた。「アイム・オッケー」。記録は175m。ほどなくして隣のレーンを泳いでいた廣瀬も水上に姿を現した。ジャッジを見つめる顔はこぼれんばかりの笑顔だ。189mで日本新記録を樹立。日本女子チームが「フリーダイビング世界選手権2012ニース」で優勝を決定づけた瞬間だった。一昨年、沖縄で開催された世界選手権金メダル獲得に続く、2連覇である。
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photograph by Ryuzo Shinomiya