長年、育成年代の国際大会を取材していると、彼我の差を思い知らされる機会は数多い。相手の厳しいプレッシャーに腰が引け、落ち着いてボールを扱えない。パスにばかり頼り、自らボールを運ぶことができない、などなど。そんな日本選手の姿を見ることには、もう慣れっこになっていた。
だからこそ、U-20女子ワールドカップは痛快だった。U-20女子代表、通称「ヤングなでしこ」の面々が、男子の大会で感じていたそうした不満を、ことごとく解消してくれたからである。
まずは単純に、彼女たちは技術レベルが極めて高い。技術だけなら、すでに姉貴分の「なでしこジャパン」より数段上だろう。膝下の小さな振りでグラウンダーの速いパスを繰り出す木下栞のインサイドキックや、大きなサイドチェンジでもピタリと止める田中美南のトラップなどは、惚れ惚れするほどである。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Toshiya Kondo