突然の大きな物音に、報道陣は一瞬、何が起こったのか理解できなかった。7月3日のアスレチックス戦後、レッドソックスのボビー・バレンタイン監督が、執拗な質問に嫌気が差したのか、机に拳をたたきつけて会見を打ち切ったのだ。試合前にはユニホームのズボンのチャックが開いたまま囲み取材が進むなど、普段のダンディな姿からは想像できないほど、蓄積した疲労感は色濃かった。しかも、試合は逆転サヨナラ負け。百戦錬磨の策士が、ここまで露骨にいら立ちを見せたことは過去になかった。
昨年12月の就任会見では、笑顔を振りまき、歯切れのいい口調で抱負を語った。
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photograph by Yukihito Taguchi