雨が次々とやって来た週末、42回目のカナダGPは異常事態が続発する展開になった。水煙のなかあちこちで大物たちが接触リタイア。豪雨による2時間4分の赤旗中断後、セーフティカースタートが切られた中盤戦からは、ハーフドライコンディションでのマッチレースがコース全域で繰り広げられた。
スタンドのファンは雨に濡れたまま4時間を超えるレースの行方を見届け、ファイナルラップでの逆転劇には総立ちとなった。現王者S・ベッテル対前王者J・バトン。大混戦に終止符を打つバトルは狭い6コーナー・シケインで決着を見た。
今季6度目となるPPを獲得したのはベッテルだった。しかし、カナダで最多タイ11勝を挙げているマクラーレンは、ウェットレースでの打倒レッドブルを狙っていた。日曜は雨がらみになると予測しマシンセットアップを練る。空力性能面ではダウンフォースを強めに、サスペンションは幾分かソフトに。これではドライになった場合、直線速度は伸びないが、濡れた路面ではしっかりグリップし、滑りやすい舗装にもマッチする。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Hiroshi Kaneko