横綱白鵬が、「相撲の神様」「昭和の角聖」と称される不世出の大横綱双葉山の69連勝を更新できるのか。九州場所は初日から、異様な雰囲気・例えようのない緊張感に包まれるに違いない。白鵬の相撲を、固唾をのんで見守る相撲ファンの気持ちは一体どうなのか。
双葉山が打ち立てた69連勝は昭和11年1月場所7日目から昭和14年1月場所3日目まで、年2場所制の中、足掛け4年にまたがる大記録である。日中戦争が泥沼化し、太平洋戦争が間近に迫る時局のことであり、当時は国民的娯楽として大相撲が親しまれていた。「双葉の前に双葉無し、双葉の後に双葉無し」の言葉が示すように、双葉山は国民的英雄だった。
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photograph by KYODO