#754
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<俺の話を聞け!> ルーニーは「ジダン」になれるのか。 ~イングランドを牽引する“恐るべき大人”へ~

2010/05/27
オーウェンが去り、ベッカムを欠くイングランドで、ルーニーは
チームの大黒柱として南アに臨む。
豪快さが売りのFWの目標は、意外にもMFのジダン。
大人になった悪童が、絶対的なピッチの支配者を目指す。

「優勝を狙える戦力だ」

 屈辱のベスト8で終わったドイツ大会から4年。すっかりイングランド代表の顔に成長したウェイン・ルーニーは、南アを戦うチームへの期待感に満ちている。ジェラード、ランパード、テリー、ファーディナンドらイングランドの主力は、いずれもがこの4年を経て選手として円熟期を迎えているからだ。

「主力選手はこの数年の欧州CLで経験を積んだ選手ばかり。戦力だけみれば最低でもベスト4は堅いと思う」

 とりわけ、当のルーニーの成長には目を見張るものがある。サー・ボビー・チャールトンをして「ルーニー不在のイングランドは、平均的なチームになってしまう」と言わしめるほどだ。確かにルーニーの決定力は際立っている。予選では9試合9得点の活躍で、イングランドを南アへと導いた。

 また今季のプレミアリーグでは、PFA(プロサッカー選手協会)とFWA(フットボール・ライター協会)の年間MVPをダブル受賞。得点王こそチェルシーのドログバに譲ったものの、自身最高となる26得点は、文句のつけどころがない立派な数字だ。

フランスW杯、ジダンに釘付けになった12歳の少年。

 ところが、本人の言葉は実に控えめだ。

「自分が絶対的なエースだなんて、これっぽっちも思ってない。ちょっとでも調子を落としたり怪我をしたりすれば、スタメンの座を奪われてしまう」

 デビュー当時の悪童っぷりからは想像できない謙虚な姿勢。それもそのはず、いまのルーニーには明確な目標があるからだ。

 今季開幕前の『タイムズ』紙のインタビューで、ルーニーは「真の偉大なフットボーラー」になると語った。

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photograph by Getty Images

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