「こんなに簡単に出るなんて」
4月13日から6日間にわたって開催された競泳日本選手権。国内では本格復帰第1戦となった北島康介は、初日の50m平泳ぎ予選でいきなり27秒30の日本新記録を樹立した。直後の記者会見、満面の笑顔で語ったのが冒頭の台詞だ。しかしこの「簡単に」記録が出たことが、今大会、その後の北島にとってマイナスに作用した。
「今回は、勝負や記録にはこだわらないつもりでした。でも練習で調子が良かったことと、初日のレースで記録が出たことで欲が出た。『勝てる。勝ちたい』って思ってしまいました」
決勝では、力みのある泳ぎでタイムが伸びず2位。さらに翌日からの200mにも“後遺症”が残った。
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photograph by Takao Fujita