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「桜井麻衣は死なない」“方向性の違い”でマリーゴールド退団も、語っていた感謝「その言葉に救われて…」退団発表前にカメラマンが感じていた“異変”
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2026/10/31 17:02
マリーゴールドでのラストマッチを終えた“貴婦人”桜井麻衣は安堵のような笑みを浮かべた。リングに帰ってくるのはいつになるだろうか。10月24日、両国国技館
桜井麻衣の“異変”「やめちゃうんじゃないの?」
ちょっと旅に出ること以外、何も決まっていない。
桜井は今年になって、体調を崩した。めまいに襲われて、嘔吐が止まらず、脱水症状気味の衰弱した体でリングに上がったこともあった。当然、限りある力を尽くしても満足のいく試合も結果も残せなかった。でも、欠場は1試合しかしていない。
「桜井どうしたんだ? 桜井らしくない」そんな声も耳にした。
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めまいが桜井を苦しめた。やりきれない悔しさとの葛藤に桜井は心も疲弊していた。明るく振る舞っても時折、浮かない顔を見せる桜井がいた。
それを感じたのは私だけではなかった。全女時代から、長年女子プロレスも取材して現在もマリーゴールドなどの会場にもよく姿を見せるベテランの記者からこんな言葉を聞いた。
「桜井、やめちゃうんじゃないの?」
やっぱりそう感じるんだ、と思った。
これは桜井が「退団」を発表する1カ月半近くも前の話だ。
36歳という年齢に「引退」という2文字がよぎることもあった。だが、桜井の選択は「退団」だった。
首の負傷も癒えてはいないが、それよりもストレス性の体調不良が桜井を悩ましていた。これはシリーズで試合を続けていると回復の兆しはない。桜井は体と心をリセットする決断をした。
「方向性の違い」「自己評価と会社の評価の差」とロッシー小川は記者に説明したが、体調不良を除けば、筆者から見れば桜井のリングは気持ちが感じられる戦いになってきていた。
遅くに出会ったプロレスと真正面から対峙して、どん欲に練習に取り組む努力型。そうして桜井はレスラーとして成長してきた。でも、体の大きな変調に気持ちを支えてきた糸がプツンと音を立てるように切れてしまった。
ある日、桜井は退団の意思を伝えようと小川を訪ねたが「なかなか言い出せなかった」という。やっと退団したいことを告げると小川は受け入れた。
「方向性の違い」と桜井がちょっと笑って復唱するように言った。それはいろいろな意味を含んでいるようにも取れた。


