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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
菅野智之37歳はなぜ「打者天国」で12勝できた? 三振率はMLBワースト2%、33被本塁打でもゲームを作る投球で「来年につながるシーズン」
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph byGetty Images
posted2026/11/02 17:00
データ的には明らかにパワーで劣っていた菅野だが、弱小チームでなぜ12勝を積み上げることができたのか?
その中で最後まで軸になった球種がスプリットだ。今季の使用率は21.1%。被打率.193、空振り率32.3%。「スプリットが良かった」と振り返った9月25日、シカゴでの今季最終登板、ホワイトソックス戦。その日有効な球種を適切な場面で選ぶ姿勢は変わらなかった。村上宗隆に2本塁打を浴びながらも、「内容はよかった」と6回2/3を6安打4失点、無四球、5三振。試合を壊さずにイニングを消化した。
本拠地クアーズ・フィールドでは、変化球の曲がりも平地とは異なる。スイーパーを無理に大きく曲げようとはせず、カットボールや新たに加えたジャイロ系のスライダーを使った。
「特別曲げようとか、落とそうとか意識しないようにしています」
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その姿勢は9月8日のヤンキース戦にも表れた。3回に満塁本塁打を浴びて5失点。それでも直後から10打者を連続でアウトに仕留めた。この試合の投球データでは、相手が低めの変化球を見送る傾向を読み、裏をかいて低めのフォーシームをストライクゾーンに投げる配球で立て直した。
スタッツでは見劣りする菅野の来季契約はどうなる?
データだけを見れば、菅野は“数字映え”しない成績だ。それでも今季12勝を積み上げた。自分を知り、相手を知り、打者の反応を読み、失点する確率を減らす投球術がある。
「引き続き厳しい世界だと思いますし、それと同時にやりがいのある世界。(中4~5日の)短い登板間隔にもだいぶ慣れて、今年はチームの力になれたのではないかなという思いもある。来年にしっかりつながるシーズンにできたと思います」
今の自分でどう勝つか。菅野はメジャーのマウンドで、その答えを探し続けている。12勝は挙げたが、防御率5.37のベテランに来季の契約オファーは届くのか。もし可能性があるとすれば、どんなチームが菅野を求めるのだろうか?
〈全2回の前編/後編につづく〉

