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「おい、クマだ、クマだ」小便中にヒグマと遭遇…その後の惨劇「思い出すと、夜も眠れない」3人が死亡した襲撃事件の生存者(87歳)が抱えるトラウマ
text by

伊藤秀倫Hidenori Ito
photograph byJIJI PRESS
posted2026/10/28 11:02
エゾヒグマ(画像はイメージです)
私は、北海学園グループの元メンバーを探した。空振りと取材拒否が続くなかで、ようやく話してくれる人が見つかった。
「事件を思い出すと、夜も眠れなくなる」
「あのときのことは自分の中で、この50年間、封印してきました」
自宅のリビングで筆者と向き合った吉田博光(仮名・以下すべて)は、ぼそりと言った。
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私が言葉を返せずにいると、吉田はこう続けた。
「今でも何かの拍子に事件のことを思い出すと、もういけない。夜も眠れなくなるんです……だから、本当はこの取材もお断りしようと思ってました」
だが私が送った取材依頼の手紙を読んでいるうちに「気が変わった」のだという。
「あれから50年経ったのか、と。自分の経験が今後何かの役に立つなら、お話ししておこうと思いました」
現在87歳となった吉田は2年前に脳梗塞を患った影響で、身体の自由はあまりきかなくなったというが、その口調はしっかりしている。
「私は、北海学園の出身ではありません。事件当時は37歳で、山仲間で北海学園の二部の学生だったAさんに『日高にいくけどどうだ?』と訊かれて、二つ返事でOKしました」
このときの北海岳友会は夏山合宿ということで、総勢18名で三つのチームを組み、別々のルートでカムエク山に挑んだ。吉田氏はAと3人の学生とともにエサオマントッタベツ岳ルートの班に属すことになった(学生のうちの一人であるBは事件後、山岳雑誌「北の山脈」に手記を寄せている。以下の記述は、吉田の証言とBの手記によって構成している)。
