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ドラフト戦線に異変…有望高校生がメジャーでもプロ野球でもなく“浜松の社会人チーム”に進んでいた「まるでプロの環境」「スカウトうまい」ヤマハの謎を追う
text by

井上幸太Kota Inoue
photograph byKota Inoue
posted2026/10/21 11:00
今春、社会人野球・ヤマハに進んだ芹澤大地
「素材のいい選手は、大学生よりも高校生の方が獲れます。素材型を採用して、育てる年齢的な余裕がある。逆に大学生の素材型は獲らないです。大学4年間でそこを伸ばしきれなくて、社会人で伸びるイメージがしづらいので」
沢山は入社5年目で、相羽は6年目。チームでは古株の部類になり、高卒社会人のドラフト解禁である3年目から時間が経つが、ともに20代前半とあり、ドラフト戦線では依然として“適齢期”だ。高卒入社であれば、粗削りであっても戦力となり、プロを狙える時間的猶予がある。嶋岡が大学側の事情を明かす。
「例えば、今の内野レギュラーが25歳以下なので、大学さんからすれば『内野手がヤマハに行っても出してもらえないじゃないか?』と思われるんですね。こちらとしても、この状況で無理に獲っても失礼になるので。高校生だと『5、6年後を見据えて育てます』とお話しできる面もあります」
「高校2年夏までが勝負」の意味
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大卒選手は、入社2年目にドラフト指名が再び可能となる。その時点で24歳。実質“ラストチャンス”の年齢に差し掛かっての再解禁になるため、進路先の年齢分布にナーバスになりやすい。その点、高校生は受け入れる側はもちろん、送り出す指導者も長い目で見守れる。
練習参加の時期も重要で、気になった選手は、高校、大学生問わず、下級生時代からグラウンドに招く。高校生の場合、1年時から練習参加を打診することもめずらしくないという。嶋岡は「2年夏になるまでに声をかけられるかが勝負」と補足する。
「高校2年夏までに有名になると、誘いがバッと来るんです。高校生は1カ月、2カ月でも一気に伸びたりするので、完成形が見えづらいところがある。でも、有名になるとプロ、あるいは進学になることが多いので、早めに(来るか来ないかを)決めてもらうように交渉しています」
じつはヤマハの慧眼には凄まじいものがある。山梨学院の菰田陽生、沖縄尚学の末吉良丞というビッグネームを、高校1年時の段階で見抜いていたのだ。
そしてなぜ、芹澤はヤマハを選んだのか――。深まる謎を追う。
〈つづく〉

