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ドラフト戦線に異変…有望高校生がメジャーでもプロ野球でもなく“浜松の社会人チーム”に進んでいた「まるでプロの環境」「スカウトうまい」ヤマハの謎を追う
text by

井上幸太Kota Inoue
photograph byKota Inoue
posted2026/10/21 11:00
今春、社会人野球・ヤマハに進んだ芹澤大地
「(本拠地が)地方なので、そこがまず不利なところでもありました。『ヤマハって会社は知ってるけど、浜松ってどこ?』と。いい選手を見つけて、『お願いします!』と言うだけでは響かない。東京にも関西にもいっぱい企業はありますし、東海地方だと愛知もありますから」
申原自身の出身が関西、大学は東京だったため、東西の選手が持つ都市圏志向は理解できた。その打開策が、私がヤマハに興味を持つきっかけでもあった「練習参加」だった。
「まず一度来てもらわないと、どんなチームか、どんな土地なのかがわからない。自分の目で見てもらわないと。今までも練習参加はありましたけど、(自身がスカウトになった)2023年から確実に割合は増えましたし、欲しいと思った選手が来てくれる確率も上がってきたかなと。練習参加を経て入社してくれたのが、2年目の土山(翔生)や清水(智裕)です」
見れば驚く…練習施設の強み
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スカウトの琴線に触れた選手を練習に招き、監督、コーチ陣でその選手を見定める目的もある。だが、それ以上にヤマハを知ってもらう、会社とチームが根を下ろす静岡、浜松という土地を知ってもらいたい狙いがある。
さらに会社の計らいによって、練習設備が更新されたことも功を奏した。高校生や大学生が練習参加で訪れると、一様に驚きの声を上げる。百聞は一見に如かず。充実の設備を自分の目で見るのは、繰り返し説明を聞くよりも、訴求力を持つ。
現在の選手構成を見ると、高卒選手の台頭が目を引く。前出の沢山、同じくドラフト候補に挙がる遊撃手の相羽寛太はともに高卒入社だ。
高校生も狙う…ヤマハの戦略
昨年のドラフトにおける支配下指名は高校生が19人に対し、大学生が40人。プロが即戦力性で優る大学生の積極指名に切り替えている分、高校生の採用に積極的なヤマハの方針は目を引く。高校生の好素材の早期発掘は、限られた市場と採用枠で戦力アップを狙う打開策の一つである。来春にも、投手、捕手で高卒の好選手を迎える予定だという。
申原の監督就任に伴い、スカウトを引き継ぎ、2年目を迎える嶋岡孝太が説明する。京都府出身の嶋岡は、鳥羽高から立命館大を経てヤマハに入社。申原の2学年後輩にあたり、ともに現役生活を過ごした間柄だ。

