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石川祐希と高橋藍だけじゃない…男子バレー“分厚すぎるOHの壁”「大塚、甲斐を見習わないと」28歳新井雄大と25歳後藤陸翔が見つめ直した現在地
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田中夕子Yuko Tanaka
photograph byNaoki Nishimura/AFLO SPORT
posted2026/10/08 11:01
高い打点の力強いスパイクが武器の新井雄大。アジア競技大会ではキャプテンを務めた
後藤は近畿大学の在学時から東京グレートベアーズでプレーし、成長を遂げてきた選手だ。高いスパイク技術と守備力で出場機会を着実に重ね、昨年日本代表に初選出。ネーションズリーグにも出場した。今季はA代表には残れなかったが、南米遠征など、同時進行で強化が進むB代表では新井と共に主力としてスタートからコートに立っている。
32年ぶりの自国開催となったアジア競技大会を前に胸躍らせたが、予選ラウンドからコートに立つ機会は限られた。悔しさがないと言えばウソになる。それでも、来たる出番に備えていた。
「途中から出ること自体が少ないので、誰かがうまくいかない時にコートへ入って仕事をする。新しい役割にトライすること自体が初めてなんです。スタートで出た時にやるべきことがあるように、途中から出てすべきこともある。この経験ができることも、僕にとってプラスになると思えるので、あとは結果につなげるだけです」
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決意を示すかのように、カタール戦では9得点。翌日の中国との準決勝でも甲斐に代わって投入された。だが、大事な場面でミスが出た。
ラリーが続いた状況から3枚ブロックに対して、タッチを狙おうと攻めに出たスパイクがアウトになった。大塚や甲斐は同じ状況でも決めていただけに、会場からはため息ももれた。
ただ、下を向きたくもなるところでも、ミスをポジティブに受け止められるのが後藤の強さでもある。
「流れが悪い時だからこそ攻めないといけない。ミスになっちゃいましたけど、経験がなかった去年だったら、まずそういう状況で攻めることすらできず、安全策を選択したと思うんです。でもそれでは外されるだけ。うまくいく日もあれば、いかない日もあるけれど、一喜一憂するのではなくチームのためにどうすればプラスの影響を与えられるか。A代表での大塚さんや(富田)将馬さんの振る舞いはまさにそうだと思うので、僕もそこから学んで実践してきたことがたくさんありました」
キャプテンを務めた新井
新井も難敵イランとの決勝戦で痛恨のミスをした。
セットカウント1-2で迎えた第4セット中盤。イランのフローターサーブに執拗に狙われた甲斐に代わってサーブレシーブに入ったが、直後に2本のサービスエースを献上した。相手のサーブがよかったとはいえ、立て直すために投入されたにもかかわらず、自分も崩された。
もともと高校、大学時代は攻撃の中心を担うオポジットで、「ほぼすべて自分が打っていた」という絶対的エース。大学4年からアウトサイドヒッターに転向したが、本格的に試合でサーブレシーブをし始めたのはJTサンダーズ(現・広島サンダーズ)へ入ってから。決して得意ではなかった守備を、それ以上の攻撃力で補ってきた選手でもある。
とはいえ、日本代表としてコートに立つ以上、言い訳は通用しない。悔しさと情けなさが交錯するなか、キャプテンという立場もあるだけに、簡単に心を折るわけにはいかなかった。
「大学生の時に初めて(日本代表へ)呼ばれて、今まで何回も何回もチャンスがあった中で、逃してきた。せっかくここでチャンスが巡ってきたんだから、自分のやるべきことをやる。余計なことは考えないようにしました」
ただ、絶好のアピールの場での失点は、選手選考にも大きな影響を及ぼしかねない。注目が集まる中で、普段通りのプレーを当たり前に実行する難しさを、そして厳しい競争に身を置いていることを新井は改めて痛感した。
「展開的にすごく余裕がある時か、本当に難しい場面じゃないと出番はない。でもそこで決めきるのが自分の持ち味で、良さでもある。相手がガツガツ来ても負けずに、自分の良さを出せるようにしないと先はないですから」


