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「ここが自分の居場所、この感覚が恋しかった」角田裕毅がレーシング・ブルズでの代役出場で得た経験と来季への決意
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尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images / Red Bull Content Pool
posted2026/09/18 11:01
レーシング・ブルズで3レースを戦った角田。来季のシートはおろか今季の残りレースの動向も未定となっている
だから、オランダGPに出場することが決まったとき、レギュレーションが大きく変わった今年のマシンをまったく実走でテストしていなかったにも関わらず、角田は不安よりもレースに出る高揚感のほうが強かった。
「いままでとは違う観点で楽しみたい」
今季初レースとなったオランダGPの公式予選ではQ2を突破できなかったが、ミックスゾーンに現れた角田に苛立った様子はまったくなかった。
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「正直、すごく嬉しいし、予選は本当に楽しかった。金曜日のスプリント予選も悪くありませんでしたが、初日はまだ今年のマシンをドライブするのが初めてだったので、限界がどこにあるのかつかみ切れていなかった。でも土曜日の予選では金曜日よりもマシンを信頼できて、ブレーキングもより突っ込むことができました」
予選ではどのドライバーも最初のアタックから1回ごとに限界値を上げていく。ブレーキをできるだけ遅らせ、コーナーの立ち上がりでは少しでも早くアクセルを開けようとする。最後の10分の1秒、100分の1秒を追い求める感覚を味わうのは、角田にとって昨年の最終戦アブダビGP以来、8カ月ぶりのことだった。
来季の動向やいかに
「この感覚が恋しかった。それが今日楽しむことができた理由です」
代役で出場した3戦、イタリアGPこそ10位に入賞した角田裕毅だったが、オランダGPとスペインGPはポイントに届かなかった。ハジャーのケガの回復具合によっては、まだ角田には代役でレースに出場する可能性はある。だが、ここまでの成績に限れば、角田が希望する競争力があるチームのシートを獲得するには十分とは言えない。
「来年シートを確保できれば最高ですが、それは自分の力ではどうにもならない。マネージャーに任せて、僕は与えられた場所で仕事をするだけです」
それでも、この4週間が角田にとって、いままで経験したことがない貴重な時間となったことは間違いない。それは「やっぱり、レースが最高」だという忘れかけていた気持ちを呼び起こすことができたからだ。
「もちろん、2年間もガレージに閉じこもっているつもりはない。だから、もし来年もF1のシートを確保できなかったら、他のシリーズを探さなきゃいけないでしょう。でも、来シーズンが始まるまでは、僕の心は常にF1に向いています」
敷かれたレールの上を走り続けてきた若者は、26歳になったいま、自分で走るべきレールを選ぼうとしている。

