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「こんなスター選手の中で足を引っ張ったら…」36歳深津英臣が歓喜の夜に漏らしたセッターの本音「生きた心地がしなかった」司令塔を救ったリベロの“声”
posted2026/09/16 11:05
今季はスタメンセッターを任された深津英臣(36歳)。「助けたい」と話していたリベロ山本智大らの声も大きな助けになった
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
JVA/AFLO SPORT
アジア選手権優勝と、ロサンゼルス五輪出場を決める最後の1点。
どこへ上げるか――。セッターの深津英臣に、迷いはなかった。
「あまりよくなかった」と苦笑いを浮かべたトスは、レフトで待つ石川祐希のもとへ。1本目はブロックにかかったがリベロの山本智大がつなぎ、2本目も深津は石川へ託す。チームが勝つために、そしてセッターとしての思いが込められていた。
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「石川を信じていました。だから『お前に上げるよ、俺は』ってメッセージを込めた。僕の思いが彼には伝わっていたと思うし、応えてくれた。バレーを通して、会話ができたような気がしました」
10年前には夢の直前で阻まれた壁を、打ち破った。最後は笑顔、でも「苦しかった」と明かす、深津にとって2度目の五輪予選が終わった。
日本代表の元キャプテン
今季の深津は、前人未踏の13連勝を達成したネーションズリーグからスタメンセッターとしてコートに立ち続けてきた。
アタッカーが最もいい状況で打つべく高さと間をつくり、きれいな放物線を描く精度の高いトスを供給する。学生時代から日本代表まで主将を務めたリーダーシップも併せ持つ深津は、セッターとしても一人の選手としても数多くの経験を重ねてきた。
ただ、2年後の五輪出場をかけたアジア選手権を戦った経験はない。
初戦は硬さもある中、勝利で終えたもののオマーン相手に1セットを奪われた。試合直後には「自分のトスが悪かった」と反省を述べ、こうも言った。
「今日(のオマーン戦)は会場も含めて雰囲気や、自分の感覚をつかむことを重視しました。個人的には少し試した部分、チャレンジしたいこともあったので、それをもうちょっと、次から積極的にやっていきたいですね」
何にチャレンジしていたのか。1セットを失った教訓を生かしてストレート勝ちを収めたバーレーン戦の後、深津に尋ねた。
「『勝つトス回し』をしなきゃいけない。スパイカーが気持ちいいとか、きれいなバレーじゃなく、“勝つ”ためのトス回し。極端に言えば、誰か一人が20本打っているけれど、別の選手は2、3本しか打っていない。いろんな攻撃をまんべんなく使うバレーをするという見方からすれば、そこまで偏るのはダメなんですけど、勝つために必要ならそれも選択する。大事なところでそれができるようにするためにも、どんなトスをどういう状況で上げたら決まるのか。ミスになったり、ブロックにかかる時のトスはどうだったのか。そういうことも全部含めて、見極めていかなきゃいけないな、って」
なかでも特に意識してきたのが、石川とのコンビだった。

