酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
喝より…あっぱれ!張本勲の3085安打「イチローの日米通算だけが」「坂本勇人も松井稼頭央も30代でペースダウン」“絶対抜けないNPB大記録”なワケ
posted2026/09/13 17:00
イチローの日米通算3086安打の際に現地取材した張本勲。「喝!」「あっぱれ!」だけで論じるにはもったいない、球史に残る安打製造機だった
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
JIJI PRESS
8月の「サンデーモーニング」でも「喝!」を飛ばしていたのに、張本勲の急逝は、喪失感が大きい。
3085安打とともに通算打率「.319」もスゴい
今どきの「新しい野球の流れ」に反対する意見を述べることが多く、筆者も反発を覚えることが多かったが、それでも張本勲が日本プロ野球に残した功績は、見上げるまでに大きい。
首位打者7回はイチローと並び最多タイ、3割16回は日本最多、通算打率3割、300本塁打、300盗塁の「3-3-3」は日本では張本勲だけ。MLBでもウィリー・メイズただ一人。
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大記録ばかりで、改めてすごいと思うが、そうした数字の中でも、特筆すべきは「3085安打」という記録だろう。
〈NPBの通算安打5傑〉
1.張本勲 3085安打2752試合9666打数/打率.319
2.野村克也 2901安打3017試合10472打数/打率.277
3.王貞治 2786安打2831試合9250打数/打率.301
4.門田博光 2566安打2571試合8868打数/打率.289
5.衣笠祥雄 2543安打2677試合9404打数/打率.270
張本勲が唯一3000本の大台を突破している。張本の試合数は安打数2位の野村克也より265試合、打数は806も少ない。それでも野村より安打数が多いのは、打率が高かったからだ。張本は11122回も打席に立ちながら、NPB史上第3位の打率.319をマークしたのだ。
この驚異的な高打率をキープしたことが前人未到の3000本安打の最大の要因になっている。
試合数は昭和の頃より増えているのに…なぜ?
張本が活躍した昭和の時代に比べれば、21世紀以降のNPBは環境も整備され、選手が好記録を出す下地はできているように思える。
何より、21世紀以降、NPBは公式戦の試合数が増えているのだ。
張本は東映・日拓・日本ハム、巨人、ロッテで23シーズンプレーしたが、その大部分のシーズンが130試合制だった。張本の実働期間の在籍チームの総試合数は3075試合、張本は89.5%の2752試合に出ているが、現在は、143試合制。今ならチームの総試合数は3289試合となり、張本は2943試合に出たことになる。同じ打率なら安打数も3300本程度になる。
今の打者の方が、より多くの安打を打つ可能性があると思えるのだが……。

