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バレーボールPRESSBACK NUMBER
「パリ五輪は兄貴と出た。本音を言えば…ロス五輪はオミと」男子バレー深津貴之コーチが“密か”に抱く弟への特別な思い「兄弟だから慣れ合うつもりはない」
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph byItaru Chiba
posted2026/09/09 17:01
日本代表コーチとして弟・英臣(右)をサポートする深津貴之
37歳でパリ五輪に出場した兄に続き、36歳で五輪予選に臨む英臣。重ねてきた努力で磨いた技術はもちろん、貴之が何より長けていると感じるのは「意志の強さ」と「マネジメントする力」だと言う。
「もともと精神的にも強いですけど、選手を育てる力もあるし今はトスの一本、一本に意図を感じます。ネーションズリーグでも、今乗っている選手をもっと乗せるためにどうするか。逆にあまり乗れていないけれど、乗ってほしい選手にどうアプローチするか。そこをしっかり彼の中で使い分けていました。スパイカーに託す、打たせる、打ってもらう。セッターの役割を表す時、いろんな表現がありますけど、そこをいかにコントロールするかという面において、オミの右に出る選手はいないんじゃないか、と思います」
開幕したアジア選手権でも連勝に貢献。初戦のオマーン戦後にはさまざまなことを試していたと明かし、「トスが悪かった」と英臣は苦笑いを浮かべたが、石川祐希や高橋藍といったアタッカー陣の高さを活かす丁寧なトスと、ここぞという場面での選択を外さないゲームメイクは見ていて抜群の安心感があった。
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2戦目のバーレーン戦では、レフトから得意なコースに放ったスパイクがネットにかかった石川に対し、「自分のトスが低かった」と反省を述べるだけでなく、どのトスを上げればベストなスパイクが決まるのかと模索した。決勝トーナメントを見据え、試合の中で確認し合うシーンも印象的だった。
チームの潤滑油になる英臣
緻密な確認作業は試合に限ったことではない。宿舎の部屋や食事の席、治療を受けるわずかな時間すらも無駄にせず、アタッカー陣とコミュニケーションを取る。そういった姿勢を貴之はコーチの一人として高く評価する。
「こうしてほしい、とスタッフ側が言うのはもちろん必要ですが、最終的にやるのは選手なので、選手同士で話したほうがいいし、選手同士だからこそ成り立つもののほうが強い。“活かす”というだけでなく、チームを“つくりあげる”能力も磨かれた。代表では兄貴分として、いい働きをしているのは間違いないです」


