NumberWeb TopicsBACK NUMBER
夏の甲子園で騒然「なぜ横浜・織田翔希は早期KOされた?」異変に気づき“確信歩き弾”…甲子園優勝・智弁和歌山と監督の「バントなし」作戦とは
posted2026/08/27 06:00
智弁和歌山・楠本龍生が織田翔希から放った“確信ホームラン”は、今大会のハイライトとなった
text by

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
JIJI PRESS
織田を2回途中KO…開始直後から「いける!」
打った瞬間、本塁打を確信してバットを静かに置き、ゆっくりと一塁へ走り出す――対照的に甲子園に詰めかけた大観衆は騒然となり、打球の行方を見送る。その光景が、この試合の本質を物語っていた。
今夏の甲子園優勝校となった智弁和歌山。今大会のハイライトの1つとして挙げられるのが、優勝候補の横浜を7-1で破った準決勝だろう。
この大会で最速156キロの剛球を連発するなど、世代ナンバーワンと評される横浜・織田翔希を2回1/3で早期ノックアウトし、打者16人で8安打を浴びせるという圧倒的な内容だった。
ADVERTISEMENT
じつはこの試合、開始直後から智弁和歌山ベンチでは「いける!」という声が上がっていた。
初回、2死から3番・井本陽太、4番・山田凜虎が連打を放ち、智弁和歌山は手応えをつかんでいた。その感触には根拠があった。前日の練習で打撃マシンを170キロに設定し、150キロを超える速球への対応を身体に染み込ませていたのだ。
中谷仁監督は、試合中に異変も察知していた。
「織田投手はストレートが一番打つのが難しい球なのに比率が低く、もしかしたらコンディションが良くないのかなと気になりました」
その読みをチーム全体で共有し、「高めの変化球はどんどん狙っていくぞ」と指示を出した。
「バントでアウトを与えるのではなく」
3回、1点を追う無死一塁の場面で、中谷監督は3番・井本にバントのサインを出さなかった。井本が安打を放って一、二塁となった場面でも、4番・山田への信頼を貫いた。

