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「天山って何ですか?」「バカ野郎、お前の新しい名前だよ」天山広吉爆誕から“蝶天”そして“テンコジ”へ「ヒールは怖がらせてナンボかと…」
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byAsami Enomoto
posted2026/08/25 11:01
天山引退記念インタビュー中編では、リングネーム「天山」の誕生秘話が語られた
夕食を終えるとようやくホテルに戻って休めるのだが、大剛からすぐに呼び出されて昔話をたっぷりと聞かされる。もっとゆっくりさせてよ、の心のぼやきをおくびにも出さず「これ前に聞いたな」と思っても最後までちゃんと聞いた。夜食で用意されたピザやパスタをデザートにしながら。
「すみません、天山って何ですか?」
体はみるみる大きくなり、わずか3週間で10kg以上の増量に成功。ヘビー級の肉体に仕上げていくうちに、新日本プロレスから帰国要請が出た。しばらくすると、大剛から連日、ファックスが届くようになる。
「何とか候とか、難しすぎて何が書いてあるかよく分からなかったんですけど、『頑張れ、天山殿』と締めくくられているのが気になって。間違ってんのかって最初は思ったんですよ。でも、毎回そうなので大剛さんに『すみません、天山って何ですか?』と尋ねてみたら『バカ野郎、お前の新しい名前だよ』って。
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そりゃあ、戸惑いましたよ。天山って何だよって。大剛さんは、体も大きくなったし、もっとインパクトを与えるリングネームにしたほうがいいって言ってくれましたが、それなら先に説明してよって」
100kgそこそこだった体重は128kgになり、随分とゴツくなった。リングネームは変えるつもりではあったが、古風な「天山」はやっぱりしっくりこなかった。それでもモンゴリアンチョップ同様、提案されたら受け入れてみるのがこの人。中国の天山山脈をヒントに、天まで昇れという意味を聞かされれば、大剛の思いをむげにするわけにはいかなかった。付きっ切りで指導してくれた大剛を信じてトレーニングしてきたからこそ、頑強な肉体を手に入れることができたのだから。
蝶野正洋の教え
凱旋帰国した1995年、23歳でIWGPヘビー級タイトルマッチに挑戦した天山の株はうなぎ昇り。平成維震軍から猛烈な勧誘を受けたが、本隊でもなく、ヒールターンした蝶野正洋率いる狼群団を次の道に選んだ。
嫌われるヒールではなく、カッコいいヒールへ。蝶野のスタンス、一つひとつが勉強になった。

