魁皇の大相撲ボヤキ解説BACK NUMBER
両横綱不調で波乱の名古屋場所…”最近の横綱昇進条件が甘い”と言われるが、元大関・魁皇は異論「逆なんですよ」
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浅香山博之Hiroyuki Asakayama
photograph byJIJI PRESS
posted2026/08/01 11:05
大相撲名古屋場所2日目、藤ノ川(右)に突き落としで敗れた横綱・大の里
綱取り場所として「優勝次点」の成績となり、また来場所に繋がりはするでしょう。でも、先場所、今場所と続いての準優勝ですから、やはり優勝をして綱取りを決めてほしい。今場所の昇進には「レベルの高い優勝」を求められていましたが、それは決して数字だけではないんです。優勝と言っても、相撲内容が一番大切。たとえば10番のうちに引いて勝った相撲が6番あったり、大事な対戦で不戦勝があったなどの場合は、ちょっと厳しい。
最近の横綱昇進条件が甘いだとか緩いだとか言われますが、逆なんですよ。すべて内容を問われているんですね。数字だけ見ての昇進だったら、もっと簡単なんです。今、大の里、豊昇龍の両横綱は不調ですけれど、この両横綱をしっかりと強い相撲で倒したなら、さらに評価は高くなる。来場所は内容の良い優勝で、すっきり決めてほしいところです。もちろん、霧島は大関としてはメチャクチャ立派な成績でした。ただ、その先を目指すのであれば、誰の目から見ても“文句なし”の相撲内容を見せて昇進してほしいんです。
両横綱は「まだ若い!」
両横綱が平幕に負けて金星を配給し続け、いろいろと言われていますが、やはり勢いで昇進して、そこで一度ケガをするとなかなか戻せない。ケガしたことで低迷しているようですね。ただ、大の里は15日間土俵に上がり続けて9勝6敗の成績に終わりましたが、今場所はしんどい思いをしながらも乗り越えた。横綱としての経験をひとつ積んだと思えばいいんです。今場所は馬力がなくて、相撲勘を取り戻せなかったようにも見受けますが、15日間、本場所の土俵に立ち続けて感覚も取り戻し、自分のダメなところも自覚したでしょう。一気に持っていけない相撲が増えていますが、負けても前に出る相撲を心がけ、また基礎からしっかりやり直してほしい。
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これから先、立て直して戻ってこられますよ。
豊昇龍は、やはり無理な投げが多くて、投げで勝つことに拘らないほうがいいでしょう。立ち合いに当たって突き起こして前に出て、相手を崩せばいいのに、それが出来ていないですね。両横綱とも、不甲斐なさをあれこれと言われますが、まだ若い! 今後は周囲の雑音をすべて払拭するような、いい相撲が取れることを期待しています。
若手の藤ノ川、藤凌駕や琴栄峰も今場所はいい相撲を見せてくれていました。次の9月場所が楽しみで、褒めるのは来場所にとっておきましょうか(笑)。猛暑のなか、手に汗握る熱い相撲を見せてくれた力士たち、お疲れ様。ファンのみなさまも熱い応援をありがとうございました。
(構成=佐藤祥子)

