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涙のメッシ「傷が癒えるまで時間が」「スペインに祝福を」アルゼンチン窮地→奇跡の大逆転連発→非情ハンデに力尽き…W杯準優勝も国民は熱烈に称えた 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byKiichi Matsumoto/JMPA

posted2026/07/26 11:00

涙のメッシ「傷が癒えるまで時間が」「スペインに祝福を」アルゼンチン窮地→奇跡の大逆転連発→非情ハンデに力尽き…W杯準優勝も国民は熱烈に称えた<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/JMPA

W杯連覇はならなかったメッシとアルゼンチン。あらためて今大会を振り返る

 3年半前の優勝時、カタールから凱旋した際には沿道と共和国広場を合わせて500万人が集まった。これは、ブエノスアイレス大都市圏の3人に1人に相当する。興奮して電柱や信号機によじ登り、落下して怪我をする人が続出した。それと比べると、今回は控えめな歓迎ぶりだった。それでも、「ラ・アルビセレステ」(白と水色。アルゼンチン代表の愛称)を誇りに思い、健闘を称える気持ちに変わりはなかった。

窮地→奇跡の逆転劇を連発

 あらためて今大会でのアルゼンチンの戦いぶりを振り返る。

 グループステージ(GS)初戦のアルジェリア戦の前半17分、メッシがドリブル突破からミドルシュートを叩き込むと皆、一斉に飛び上がり、抱き合って喜んだ。後半、メッシがハットトリックを達成して3−0で快勝。再び「アルヘンティーナ」「メッシ」コールが沸き起こった。多くの人がスタート地点から約5km離れた共和国広場まで応援歌を歌いながら練り歩き、広場でさらに歌い続けて勝利を祝った。

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 最高のスタートを切った「ラ・スカロネッタ」(スカローニ監督のチーム)はオーストリアを2−0で、ヨルダンを3−1で下し、GSを3戦全勝の首位で突破した。

 しかし、ここからは苦戦の連続だった。

 ラウンド32のカーボベルデ戦は1−1で延長に突入し、勝ち越し点をあげながらも再び追いつかれ、辛うじて3−2で勝ち切るシーソーゲームに。さらにラウンド16のエジプト戦は、後半途中まで2点のリードを許す。メッシのゴールで追いつき、後半アディショナルタイムに右からのクロスをMFエンソ・フェルナンデスが頭で決めて奇跡の大逆転。人々を狂喜させたものの、窮地に追い込まれた(宿敵ブラジルがノルウェーの前に敗れ去ったことを嘲笑してもいたが)。

 準々決勝のスイス戦も、全く楽な試合ではなかった。90分間を終えて1−1の同点で、延長戦に突入。延長後半に2点を加えて何とか勝ち切った。準決勝では、1982年に領土戦争(イギリスではフォークランド紛争、アルゼンチンではマルビナス戦争と呼ばれる)によって双方で900人を超える死者を出し、1986年のW杯準々決勝で激闘を繰り広げた宿敵イングランドと対戦。後半10分に先制を許したが、またしても終盤に劇的な逆転を完遂。通算4度目の優勝に王手をかけた。

メッシとアルゼンチンに三重のハンデ

 決勝は、準決勝で強豪フランスに快勝したスペインとの対戦となった。

【次ページ】 メッシとアルゼンチンに三重のハンデ

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