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「お前には価値がある」敗者・比嘉大吾が言葉に詰まった“ある瞬間”…増田陸に軍配“微妙判定”に漏らした本音「納得いってます。倒せなかったので」
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渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi
posted2026/07/22 17:21
最終12ラウンド、激しく打ち合う増田陸と比嘉大吾。両陣営ともに勝利の手応えを得ていた激闘は、スプリット判定で増田に軍配が上がった
判定への本音「納得いってますよ。倒せなかったので」
読み上げられたスコアは、まず115-113で比嘉、続いて117-111で増田。最後に読み上げられたスコアは117-111。そしてリングアナウンサー、ジミー・レノン・ジュニアは一拍置いて「RIKU MASUDA!」と高らかにコールした。比嘉の動きに惑わされず、終始冷静に戦い抜いた増田に軍配は上がったのだ。
野木トレーナーは「こっちの土俵に引きずり込んだという自負はある」と採点に首をかしげたが、比嘉本人は判定への不満を口にしなかった。「この4戦の中で一番納得していないのではないか」との質問に、次のように答えた。
「納得いくとかいかないとかじゃなく、ただの悔しさ。自分で考えて復帰して、もう1回チャンピオンになろうと思って、すぐチャンスがきて、これに懸けていた部分があったので、そっちの悔しさです。全然納得いってますよ。倒せなかったので」
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WBCフライ級王座を失意の計量失格で失ってから8年。2年のブランクを経て復帰してからも6年の歳月が過ぎた。バンタム級で4戦連続となる挑戦は今回もあと一歩で実らなかった。それでも常に温かい目で比嘉を見守ってきた野木トレーナーは前向きだった。
「過去3戦は結果を受けて、僕にも絶望しかなかった。今回それはないですね。今、大吾の『まだ続けたい』という言葉を聞いて、僕もすぐに奮い立ちそうな、そういう感覚です」
そしてこうも口にした。
「増田選手有利の声が多くて、これだけやるとは思っていなかった人が多いと思うんです。その予想を一つ覆すような、こう言ったらあれですけど、本当に5戦連続(世界戦)も100%ないとは言えないような、そういう比嘉大吾は見せられたんじゃないかと思います」
高校を卒業して沖縄から上京、2014年6月に18歳でプロデビューした比嘉は来月で31歳になる。若くして栄光と挫折を味わい、悲しみも苦しみもユーモアで包んでしまうファイターは、いつだって多くの人から愛されてきた。両国で涙にくれた人気者の物語はまだ終わらない。

