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「お前には価値がある」敗者・比嘉大吾が言葉に詰まった“ある瞬間”…増田陸に軍配“微妙判定”に漏らした本音「納得いってます。倒せなかったので」 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byHiroaki Finito Yamaguchi

posted2026/07/22 17:21

「お前には価値がある」敗者・比嘉大吾が言葉に詰まった“ある瞬間”…増田陸に軍配“微妙判定”に漏らした本音「納得いってます。倒せなかったので」<Number Web> photograph by Hiroaki Finito Yamaguchi

最終12ラウンド、激しく打ち合う増田陸と比嘉大吾。両陣営ともに勝利の手応えを得ていた激闘は、スプリット判定で増田に軍配が上がった

拮抗した展開…増田陣営も「ポイントは分からない」

 比嘉はガッチリとガードを固め、盛んにフェイントをかけながら、増田との距離を詰めようと試みた。どっしりと構えて迎撃態勢を整える増田の懐に入るのは容易ではない。比嘉はなかなか効果的なアタックを繰り出せず、一方で増田の強打をしっかりブロックしながら試合を進めた。野木トレーナーは序盤戦の狙いをこう語った。

「相手の左ストレートが際立っていたので、それをあえて打たせる。打たせて距離、速さ、間合いを早いうちに学習しようと思いました。その通りにできたかなと思います」

 しかし、陣営の手ごたえとは裏腹に、序盤戦は増田の右リードを軸とした距離を取るボクシングがジャッジに支持された。試合中はスコアを知る由もない比嘉だが、「リスクを負わないと増田には勝てない」とは自覚していた。

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 その思いを胸に、比嘉は徐々にではあるが、距離を詰めるシーンを増やしていく。フェイントを駆使し、タイミングを計って、一瞬の間を逃さず距離を詰める。射程圏内に入ったらすかさずパンチをまとめる。クリンチ際でしつこく手を出したのは、試合前から心に決めていたのだろう。なかなかクリーンヒットを決めることはできないが、比嘉が飛び込んでスイングするたびに会場が沸いた。互いに決定打が出ない中で、比嘉はうまく攻勢をアピールしているようにも見えた。

「試合前から、ずっと攻める、中途半端な距離よりか、攻めるとずっとイメージしていた。『効かされたら効かされたでいいや』と思いながらずっと攻めました」

 中盤以降、試合は拮抗した。増田のジャブ、左ストレートが比嘉のガードの打ち破るシーンがあり、比嘉が増田に襲い掛かり、ロープ際に押し込むシーンがあった。ビッグパンチがヒットしないまま、試合は終盤に入る。スコアは読みづらかったが、両陣営ともポイントではリードしていると見ていた。同時に自己採点が絶対ではないこともよく分かっていた。

 増田の参謀、大和心トレーナーは「比嘉くんのパンチがそんなに当たっているとは思わなかったけど、比嘉くんが前に出ると大歓声が上がるのでポイントは分からない」と振り返り、11回が始まる直前、増田に前に出るよう指示を出した。対する野木トレーナーも「勝負してこい」と比嘉を送り出す。最後の2ラウンド、両者が激しく手を出し合い、終了のゴングが鳴った。

【次ページ】 判定への本音「納得いってますよ。倒せなかったので」

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