熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER

「メッシが呆然」「なんて美しい!」W杯初出場で大躍進カーボベルデが王者アルゼンチンを追い詰めた日…なぜ「ブラジル人が嬉しそう」だったのか

posted2026/07/09 11:00

 
「メッシが呆然」「なんて美しい!」W杯初出場で大躍進カーボベルデが王者アルゼンチンを追い詰めた日…なぜ「ブラジル人が嬉しそう」だったのか<Number Web> photograph by Getty Images

GKボジーニャらを擁するカーボベルデは最後までアルゼンチンとメッシを苦しめた

text by

沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

PROFILE

photograph by

Getty Images

 FIFAワールドカップ2026で大健闘を見せたカーボベルデ。前回W杯王者アルゼンチンとの死闘は日本でも関東地区の地上波テレビ視聴率が10.1%を記録したが、この歴史的一戦を各国メディアはどう伝え、カーボベルデという国はそもそもどんな成り立ちなのか。ポルトガル語、スペイン語に堪能な在ブラジル日本人記者がレポートする。〈全3回〉

メッシのスーパーゴールで決まったかと思いきや

「ゴーーール! カーボベルデのゴ————ル! なんて美しいゴールなんだ!」

 アフリカ大陸の西に浮かぶ小さな群島の国営放送のアナウンサーが、声の限りに叫んだ。それも、二度に渡って——延長戦で再び追いつくスーパーゴールを伝えた際は、もはや涙声だった。

 人口約14万人の首都プライアの中心部では、パブリック・ビューイングが行なわれた。数千人がナショナルチームの青いユニフォームを、ユニフォームがない者は青いシャツを着て集まり、大きな国旗を振り回して懸命の応援を繰り広げた。

ADVERTISEMENT

 皆、総立ちで、思い詰めた表情で壇上の大画面に見入る。一つひとつのプレーに全身で喜んだり悔しがったり、を120分間続けた。

 前半29分、アルゼンチンが中盤からエースのリオネル・メッシへ向けて鋭いロングパス。背番号10はわざとショートバウンドさせてから左足首の外側でピタリと止める神業を披露し、ニアサイドへ強烈に蹴り込んで先制した。

 このスーパーゴールを見て、世界中のファンの大半がアルゼンチンの勝利を予想したのではないか。

同点弾に涙ぐむカーボベルデサポも

 しかし、大会初出場ながらグループステージ(GS)で元世界王者のスペイン、ウルグアイと引き分けて大きな話題となっていたカーボベルデの選手たちは全くひるまなかった。

 後半14分、中央から右サイドへ展開し、右ウイングのライアン・メンデスがマーカーの股を抜くパスを通す。これをMFデロイ・ドゥアルテがこれまたマーカーの股を抜くシュートを放ち、ファーサイドのネットを揺らした。

【次ページ】 ブラジルのアナウンサーが嬉しそうに

1 2 NEXT
#リオネル・メッシ
#ライアン・メンデス
#デロイ・ドゥアルテ
#ボジーニャ
#北中米W杯
#ワールドカップ

海外サッカーの前後の記事

ページトップ