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カタールW杯で猛批判された伊藤洋輝…ブラジル戦、田中碧のユニを引っ張ったワケ「奇跡が起きれば」「もしかしたら自分のミスで」日本代表の“思いやり”
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ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2026/07/09 17:02
ブラジル戦翌日、囲み取材での伊藤洋輝。今回のW杯はフィールドプレーヤーで唯一のフルタイム出場を果たした
第1回で触れたように、選手が取材に応じる気があれば、試合間でも何度も話す機会があるのが今大会のルールだった。その中で必ずしも口数が多いわけではない選手の場合は、どうだったのか。
4戦フル出場、伊藤洋輝の言葉が深かった
バイエルン・ミュンヘン所属の伊藤洋輝は、しかるべきシチュエーションでは、ユーモアを交えて話をできるタイプだ。ただ、普段から雄弁に語るタイプではない。今大会中も感じが悪くならないよう、先手を打つかのように報道陣に「お疲れ様です!」と元気に伝えて、取材エリアを去ることが多かった。
ただ、興味深いのは大会が進むにつれて、伊藤が話をする機会が増えていったことだ。それはチームやW杯の熱気に引き込まれていたことと無関係ではなかったはずだ。
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それを強く感じたのは、ブラジル戦翌日のことだった。
「時間は正直、あまりなかったですけど、チャンスはまだあると思っていたし。あれは無意識ですね。最後に何か、奇跡が起こればと思った自分もいたからですかね」
マルチネッリに逆転ゴールを許した後、くずれ落ちる田中碧のユニフォームを引っ張り、なかば強引に立ち上がらせた理由についての話である。
疑問は残る。なぜ“あのような状態”だったのに、仲間へ意識を向ける行動をとれたのか――。
伊藤は今大会の日本のフィールドプレーヤーで唯一、全試合フルタイム出場を続けた。実際、グループステージ最終戦のスウェーデンとの試合では、終了を告げるホイッスルが吹かれると、ピッチに座り込んでいた。
疲労がなかったといえば、嘘になる。
それでもブラジル戦では、当たり前のように先発に名を連ねた。そして、ディフェンダーの責務を全うするかのように、最後までピッチを走り続けた。
なぜ失点直後、伊藤は田中碧のユニを引っ張ったのか
1-1の同点だった90分もそうだった。
谷口彰悟からのパスを受けた伊藤は、相手ペナルティーエリア付近にいた鈴木淳之介へ縦パスを送った。そこで鈴木が相手と1対1になりそうだと判断すると、猛然とオーバーラップを見せた。伊藤のケアをしないといけないブラジルの右ウイング、ラヤンは追いかけることをあきらめていたほどだ。
試合終盤で、疲労がたまっていて足が動かない時間のはずなのに、まるで1分前に途中出場した選手のような動きだった。
そんなシーンを経てのアディショナルタイム5分での逆転ゴールだ。伊藤が心身ともに限界を迎えてもおかしくはない。それでも屈するどころか、失意の田中を立ち上がらせた。
だからこそ、伊藤に聞きたい質問があった。

