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コスモバルク“ダービー惨敗”の悲劇「すべて僕の責任です」顔面蒼白の騎手、岡田繁幸は“騎乗批判”…残念会で懇願「来年のダービーを勝たせてください」
text by

河村清明Kiyoaki Kawamura
photograph bySankei Shimbun
posted2026/05/31 06:01
2004年のダービー、4コーナーの出口で先頭に立つ2番人気のコスモバルクと鞍上の五十嵐冬樹
ハミを取り、前へ進みたがっていたバルクから、なぜなのか突然ハミが抜けた。ハイペースを認識していた五十嵐は、後続を引き付けたいと考えて、ほんのわずか手綱を引いた。
すると、バルクは予期せぬ反応を見せた。
五十嵐の扶助をゴーサインと受け取ったのか、再びハミを取ると、前を行く2頭を猛然と追いかけ始めたのだ。
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抑えはもう利かなかった。
顔面蒼白の五十嵐冬樹「すべて僕の責任です」
直線を目前に、馬場の中央で、バルクはハイペースにバテた2頭をかわし、先頭に立った。このとき五十嵐は背後を振り返っている。なぜなのか。
「後ろがどれくらい離れているか、確認しようとしたんです。自分が行き過ぎているのはわかってましたから」(五十嵐)
4コーナーを回り、直線で馬場の中央に持ち出したのも、事前の相談どおりではあった。だが、2000メートルを通過したあたりで、バルクはあえぐようなフットーワークを見せ始めた。踏ん張れ、と五十嵐は右ムチを繰り出したが、バルクに余力はなかった。すぐ外を一気に伸びていくキングカメハメハとは対照的に、馬群に呑み込まれていった。
安藤勝己を背にしたキングカメハメハが2分23秒3のダービーレコードで優勝した。最後方から追い込んだハーツクライが2着、ハイアーゲームが3着に入った。バルクは8着に終わった。皐月賞の上がりは33秒8、ダービーは37秒1。結果論ではあっても、その数字の対比にチグハグなレースぶりが表れていた。
バルク以外の関係馬がいずれもふた桁着順に沈んでしまっただけでなく、マイネルブルックが故障により競走を中止した。無念の結果に関係者は言葉を失い、繁幸は顔をしかめた。
報道陣が繁幸を取り囲んだ。質問に答える口調に怒りが滲んだ。
「今年になってからずっと『馬のうしろに入れてくれ』って言ってきたのに聞き入れてくれなかった。どうしてわかってくれないんだろう」
繁幸が、五十嵐の騎乗を公に批判したのは、後にも先にもこの一度きりだ。
レース後の記者会見に五十嵐は顔面蒼白で現れた。
「すべて僕の責任です」
何を聞かれても、目に涙を滲ませながら、そう口にするが精一杯だった。

