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中谷潤人はなぜ“序盤にもっと攻めなかった”のか? 元世界王者が予見していた中谷の“井上尚弥への戦い方”「あの手法を井上選手相手にやるのは怖い」

posted2026/05/05 06:01

 
中谷潤人はなぜ“序盤にもっと攻めなかった”のか? 元世界王者が予見していた中谷の“井上尚弥への戦い方”「あの手法を井上選手相手にやるのは怖い」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

中谷潤人が井上尚弥相手に奮戦。プランをひもとく

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NumberWeb編集部

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Takuya Sugiyama

井上尚弥vs中谷潤人は12ラウンドの死闘の末、3-0で井上が判定勝ちを収めた。その試合前に、中谷と対戦経験のある元世界王者・西田凌佑が語っていた“中谷のプラン予想”、その短縮版をお届けします。

 昨年6月、IBFバンタム級王者としてWBC王者・中谷潤人との2団体統一戦に臨んだ西田凌佑は、右肩を脱臼するアクシデントにより6回終了で負傷TKO負けを喫した。「これからやな、という感じが自分の中であった」と悔しさを滲ませる西田は、その試合で中谷の戦い方を間近で体感した数少ない世界王者のひとりだ。

 その西田が、世紀の一戦ともいわれた井上尚弥vs.中谷潤人の戦前に、率直な見解を語っていたのだ。

「あれを井上選手にやるのは怖い」

 西田が中谷の強さとして挙げたのは「勢い」だ。「フィニッシュブローを打つ前にいろんなパンチを散らしてくる。相手に考えさせず、押すようなパンチをどんどん出してくる」と表現し、その圧力が相手のペースを奪うと分析する。

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 だが、その同じ戦法を中谷が井上相手に序盤から仕掛けることについては、西田は明確に「怖い」と言い切る。

「自分とやったときみたいに勢いでペースを渡さないという手法もありだと思うんですけど、あれを井上選手に対して最初からやるのは怖いと思う。だから最初は距離を取るんじゃないか」

 一方、距離を保ち続けることにも西田は懐疑的だ。「井上選手は踏み込みも速いので、ずっと距離を保つのは難しい。少しずつ仕掛けていくと、中谷選手はだんだん詰められてしまうかもしれない」。

 さらに西田は、中谷の前戦であるセバスチャン・エルナンデス戦の動きを引き合いに出しながら、こう指摘した。「ずっと『下がって、打って』の繰り返しで、動く方向もずっと右回り。ああいうふうにパターン化してしまうと捕まるし、パンチをもらうんじゃないか」。

 対して井上については「圧がすごい。無駄がないというか」と語り、TJ・ドヘニー戦を生観戦した際の印象として「ドヘニー選手が『しんどいな』と思っているのがひしひしと伝わってきた」と証言する。「こちらから手を出すとカウンターを打ってくる。何もできなくて、気が付けばロープに詰められているような感じ」。

 予想を問われれば「井上選手の勝利」と認めつつも、「中谷選手が勢いで押して、それに井上選手が付き合ってくれたらチャンスが出てくると思う」とわずかな可能性も示していた。

 試合が終わった今だからこそわかる、元世界王者の視点が映し出していた中谷の葛藤と、その先にある答えは本編で詳しく語られている。

〈つづく〉

 この文章の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。

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#西田凌佑
#井上尚弥
#中谷潤人

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