フィギュアスケートPRESSBACK NUMBER
りくりゅう引退→指導者志望の一方で「結局は海外に行かないと」“三浦璃来を小2から知る”恩師がズバリ…じつは厳しい日本のペア練習環境問題
text by

山田智子Tomoko Yamada
photograph byAsami Enomoto
posted2026/05/02 11:03
引退会見で朗らかな表情の「りくりゅう」。2人の存在で脚光を浴びたフィギュアペアは、いかに国内で普及していくのか
「まず、リンクの数が多い。各リンクにクラブがあり、ペアも、ノービス、ジュニア、シニアとそれぞれに貸切の時間がある。しかも各セッション3組だけと、非常に恵まれた環境です。日本はフィギュアスケートだけでなく、ホッケーの貸切があったりして、どこのリンクもパンパン。シングルだけでも貸切の時間が限られていて、ペアの時間を取る余裕のあるところはありません」
現在若松さんが拠点としている愛知では3つのリンクを“はしご”するのが当たり前だが、カナダでは毎日同じリンクで練習ができる。リンク外のトレーニング環境も整い、貸切の費用もカナダの方が安かったと語る。
段違いの手厚い指導体制とは
さらに、ペアを取り巻く指導体制の手厚さも段違いだ。
ADVERTISEMENT
若松さんはある日突然、ゴーティエコーチから「明日からシルク・ドゥ・ソレイユのコーチが来る」と告げられた。シルク・ド・ソレイユのリフトをプログラムに入れたいからだという。
「タンゴの曲だったら、タンゴの先生のところにしばらく通ったり。ジャンプだけを指導するコーチがいたり、ストローキングはアイスダンスの先生が担当したり。振付師、バレエの先生、ピラティスなど、必要なコーチがサポートしてくれます」
それをトータルでチェックするのが、メインコーチのゴーティエの役割。こうした体系的な指導が行われていた。
若い頃にペアを経験できる環境を
さらに、ノービス時代からペアを経験しているのもカナダの強みだと若松さんは続ける。
「私は20歳からペアを始めたので、もう少し早くから始められていたらという思いはあります。恐怖心もそうですし、若い時から体に染み込んだものは大きいので。
ただ、スケーティングにしても、ジャンプにしても、シングルのスキルは永遠に必要です。カナダでは、ジュニアのペアがシングルの練習をしていました。だから、欲を言えば、ペアもシングルも両方できる環境があるといいですね」
三浦が小学生からペアを経験し、基礎ができていたことは、りくりゅうペアの大きなアドバンテージだと若松さんは語る。

