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野球善哉BACK NUMBER
「完全にちゃんと負けた」源田壮亮がWBCベネズエラ戦で見た世界との“差”とは「パワー負けって言うけど、そこじゃない」日本野球への提言
text by

氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byNanae Suzuki
posted2026/04/09 11:25
今大会で代表を引退するという源田はWBCベネズエラとの一戦をフィールドでどう感じたのか?
「試合前のミーティングでもベネズエラは頭を使ってやってくるチームだとは聞いていたんですけど、チームとして戦い方が徹底されていました。低めの球を振らないとか、追い込まれてからの変化球は粘る、とか。
一発を狙いに来るだけじゃなくて、追い込まれたら、ファールを打ちにきているのもわかったし、なんとか頑張ってランナーを進めようとしているのも伝わってきました。あれだけのスター選手たちが進塁打を打つ、バントする、粘る、エンドランするとか、すごく考えた野球をしていたし、それで甘い球がきたら長打を打つ。これは強いなと思いました」
頭を使う野球は、本来侍ジャパンのほうが標榜する野球のはずだった。チームが勝つために犠牲を厭わない。狙っていない球がきても、淡白に見逃すだけでなく、狙い球が来るまで粘ろうとする。源田はショートで相手の攻撃を見ながらその強さを感じたのだった。源田が「ちゃんと負けた」と敗戦を振り返った背景には、総合的な力で負けたという実感があったのだ。
速いボールに対する中でも頭を使ってきた
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「データも研究されていたんだろうなと思いますけど……準備段階を見ることができないので、何をしているかは僕にはわからないですが、平均球速が速いボールに対しても(頭を使う野球が)できるわけですからね。それはスキルが高いというんでしょうけど」
実際に試合を振り返ってみると、ベネズエラ打線の徹底した頭脳の駆使は見事なものだった。特に5回以降に顕著な差として出ていたのが、低めのボールをとにかく振らないことだ。5回表、侍ジャパンは先発の山本由伸(ドジャース)の後を受けて隅田知一郎(西武)が登板したが、9番チョーリオに対し、初め2球の低めを見逃されてボールとなっている。さらに高めボール、そして1つストライクを挟んだ後、再び低めに投げた球をボールと判定されて四球を許した。
続く1番のアクーニャJr.は空振り三振に切ってとったものの、実は7球を投じている。そして、2番のガルシアに2点本塁打を浴びたわけだが、痛打されたのはやはり7球目。2ボール先行から追い込んだが、ファールで粘られた末に完璧に捉えられたのだった。


