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渦巻く批判が一変の160キロ復活…佐々木朗希リリーフで秘密兵器化のナゼ「68→95%」「じつは1球種封印」ドジャース先発時と比較
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2025/10/04 11:00
長期離脱を強いられた佐々木朗希だが、ドジャース1年目はポストシーズンのクローザーという立場でV字回復のドラマを描いている
5月13日、インピンジメント症候群を発症した佐々木はIL(負傷者リスト)入り。リハビリを経て、AAAオクラホマシティで調整登板を始めた。しかしここも苦難の道ではあった。
8月14日 先発
2回6安0本1球0振、責3
8月20日 先発
3.1回3安0本3球2振、責1
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8月26日 先発●
3.2回5安0本2球4振、責3
9月2日 先発●
5回3安2本2球2振、責4
9月9日先発
4.2回3安0本4球8振、責3
投げるたびに失点し、四球も出す。5先発で17.5回20被安打12与四球16奪三振、防御率6.10は、お世辞にも良好とはいえない状態だった。
リリーフで戻った圧倒的なマウンド
今季中のメジャー復帰はないと思われたが、救援に転向してから一気に活路が開ける。
9月18日 救援
1回0安0本1球2振、責0
9月21日 救援
1回0安0本0球1振、責0
2登板で四球を一つ出しただけ、ほぼ完ぺきに抑えた。シーズン最終盤、ドジャースは救援陣が崩壊していたので、ロバーツ監督は急遽佐々木を再昇格させた。
9月24日ダイヤモンドバックス戦 救援
1回0安0本0球2振、責0
(13-8/61.5%)空2
9月26日マリナーズ戦 救援
1回1安0本0球2振、責0
(12-11/91.7%)空4
劇的な復活を演じた佐々木を、ワイルドカードシリーズのロースターに加えたデーブ・ロバーツ監督は2戦目の最後を託す。
10月1日レッズ戦 救援
1回0安0本0球2振、責0
(11-9/81.8%)空3
NPB時代に何度も見てきた、佐々木朗希の圧倒的なマウンドが戻ってきた。足を高く上げ、自信に満ちた表情で投げ込む姿は、雄々しかった。またスプリッターはストライクゾーンで鋭く落ちていた。
「95.0%」「1球種封印」…データで見る激変
ではデータ的にはどんな変化があったのか? リリーフ全36球の球種別データを見てみると、以下のようになる。

