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「自分たちにミスが多かった」ブライトン三笘薫先発も足取り重く…FA杯準々決勝、PK戦で敗退
posted2025/04/01 06:00
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田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Getty Images
三笘薫の所属するブライトンは3月29日、FA杯準々決勝のノッティンガム・F戦でPK戦の末に敗れた。
ノッティンガム・フォレストの最後のPKキッカーが成功させると、タッチライン際で見守っていたブライトンの三笘薫は、思わず両手で顔を覆った。
試合は0−0のまま前後半で決着がつかず30分の延長戦に突入したが、ここでもゴールは生まれなかった。PK戦ではブライトンの3番手ジャック・ヒンシェルウッド、4番手ディオゴ・ゴメスが相手GKのセーブに阻まれ失敗。後攻のノッティンガム・Fは3番手のネコ・ウィリアムズが失敗したのみで、残り4人が成功した。PK戦スコア3−4で、ブライトンはベスト8でFA杯敗退が決まった。
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この試合で三笘は、4−2−3−1の左MFで先発した。3月25日に行われたW杯アジア最終予選のサウジアラビア戦をコンディション不良で欠場したが、ノッティンガム・F戦の前日会見でファビアン・ヒュルツェラー監督が「ミトマは順調。試合に出場できると思う」と話していたとおり、日本代表MFはスタメンに名を連ねた。
しかし長距離移動の影響か、あるいはコンディション不良を抱えていた影響なのか、全体的に動きが重かった。27分には右足のアウトサイドキックでパスを出したが、FWダニー・ウェルベックと呼吸が合わず通らない。45分にはダブルマークがついている状況から縦に仕掛けたが、三笘のクロスは相手DFに当たってチャンスにならかった。最終的に、決定機に絡めないまま後半27分に交代となった。
チーム全体としても、ノッティンガム・フォレストの分厚い守備に苦しんだ。ただ、延長戦の109分に途中出場のゴメスがフリーでヘディングシュート、119分にペドロがネットを揺らすもこちらはオフサイドと、ゴールまでの形は作っていた。しかしリーグ4位の失点の少なさを誇るノッティンガム・Fの堅守を崩せず、PK戦で涙を飲むことになった。
試合後のミックスゾーンで、三笘は静かな声で振り返った。
「相手が良かったですけど、自分たちにミスが多く、あちらもミスが多い試合でした。最後までチャンスを作っていたところは良かったと思いますけど、最後のクオリティ(に難しさがあった)。相手も後ろで数的優位を作ったりして、難しい展開でした」
(記者:チャンスもあった中で、PK戦まで行ってしまったが…)
「もともと空中戦や球際が強いチームで、個人の能力も高いチームです。そこはわかってましたけど、セカンドボールを中心にもっと自分たちのペースでやれたかなっていうところはありますし。もっと我慢強く戦わないといけない試合でしたけど、それもタラレバになりますね」
では、三笘は自身のプレーについてどのように考えたのか。「監督からは中に入るところだったり、(指示として)色々言われてました。だけど、最後(=ファイナルサード)のとこで、ボールを運べるとこは運べていたので、なるべくそっちで起点を作ろうかなと思っていた」と言う。しかし、「フィジカル的には問題なかったですけど、判断的なミスは多かった」と自身のプレーを反省。三笘としても、思うようなプレーができなかったと振り返った。
◆◆◆
今回のFA杯準々決勝でノッティンガム・フォレストを下せば、ブライトンにとってまさしく理想的なストーリーになった。しかし、勝負の世界はそう甘くない。FA杯のタイトルも、準決勝から会場となる聖地ウェンブリースタジアムでのプレーも、いずれも叶うことはなかった。
だが三笘は、ここでもう一度気持ちを高めることが必要と力を込める。
「悔しいですけど、すぐ連戦に入りますし、そっち(=プレミアリーグ)に望みをかけるしかない。ここからが踏ん張りどころ。全ての選手が、この敗戦をもう一度バネにできるかというところですね」
ブライトンと三笘の次戦は、2日にホームで行われるアストンビラ戦。勝利で、FA杯の悔しさを晴らしたい。

