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「デカいだけのちゃらんぽらんなヤツ」がなぜMLBからドラフト指名まで?…“名門校で甲子園出場→ハワイ大進学”の武元一輝(21歳)とは何者なのか 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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posted2025/07/17 17:01

「デカいだけのちゃらんぽらんなヤツ」がなぜMLBからドラフト指名まで?…“名門校で甲子園出場→ハワイ大進学”の武元一輝(21歳)とは何者なのか<Number Web> photograph by JIJI PRESS

智弁和歌山高から米・ハワイ大へ進学した武元一輝がアスレチックスからドラフト指名。逸材はなぜ異国への挑戦を選んだのか?

 メジャーリーガーを志し、ハワイ大に進学した青年は今シーズン、NCAA(全米大学体育協会)でピッチャーとして15試合に登板して2勝6敗、防御率5.75。バッターとしては45試合に出場して打率2割5分6厘、1ホームラン、21打点を記録した二刀流である。武元はこの結果に満足していないというが、メジャーリーグから将来性を評価された。

 今年のMLBドラフト。武元はアスレチックスから19巡目、全体では560位で指名を受けた。

 日本人では東北高校からアメリカに渡り、23年にホワイトソックスから指名されたオレゴン大の西田陸浮以来の事例となった。アメリカの4年制大学に通う選手は21歳からドラフトの対象とされているため、武元は解禁初年度でチャンスをものにしたわけだ。

ドラフト指名までの紆余曲折は? 

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 今年に入り、「ドラフト候補」として指名が現実味を帯びてきた頃、武元は「それにしても」と笑いながら話していたものだ。

「高校を出てからのプロセスなんて立てていないくらい、なんも考えていなかったんで。周りから見たら、ただ体のデカいちゃらんぽらんなヤツだと思われていたでしょうし」

 その“ちゃらんぽらん”な選手が自立し、メジャーリーガーへの第一関門となるドラフト指名を実現できたのには、武元の意識を変革させる人との出会いがあった。

 ひとつは、武元にとっての原点とも言える智弁和歌山時代である。

 2020年に入学した当初の武元は、典型的なお山の大将だった――。

<次回へつづく>

#2に続く
「厳しい道を選んだほうがいい」イチローから助言も…「ハンパなく勉強して」アスレチックスからドラフト指名の21歳が“アメリカ進学”を選んだナゼ

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