NumberWeb TopicsBACK NUMBER

「イノウエはあんなダウンをしたのに平気な顔で…」井上尚弥を“最も苦しめた敗者”カルデナス、日本人記者に明かす「あの左フックはイノウエ対策だった」

posted2025/06/01 17:02

 
「イノウエはあんなダウンをしたのに平気な顔で…」井上尚弥を“最も苦しめた敗者”カルデナス、日本人記者に明かす「あの左フックはイノウエ対策だった」<Number Web> photograph by Naoki Fukuda

2ラウンド終盤、井上尚弥からダウンを奪ったカルデナス

text by

NumberWeb編集部

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web

PROFILE

photograph by

Naoki Fukuda

 世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)とWBA1位ラモン・カルデナス(アメリカ)の激闘から約1カ月が経過した。ラスベガスの一戦で井上はカルデナスに8回TKO勝ち。2回に衝撃的なダウンを奪われながら、井上はすぐに挽回して連勝を30(27KO)に伸ばした。
 予想以上の大健闘を見せたカルデナスが日本人記者のロングインタビューに応じた。そのダイジェスト版をお届けする。

◆◆◆

2回ダウン「あの左フックをずっと練習していた」

 誰もが早いラウンドでの井上尚弥KO勝ちを予想していた。しかし29歳の挑戦者は、まさかの2回に左フックで井上をダウンさせ、8回までもつれる大健闘を見せた。

「私の家族以外、世界中の誰もが私が1ラウンドでKOされると思っていた。多くのファン、関係者が私があっという間に眠らされると予想していた」とカルデナスは当時の状況を笑いながら振り返る。

ADVERTISEMENT

 衝撃の2回ダウンについては「ジムでの練習を見た人なら、私があのパンチを打つのを見てきたはずだ。左フックでイノウエを捉える練習をずっと積んできた」「自然に打てるようになるまで練習した。パーフェクトなタイミングのパンチだった」と冷静に分析。

「間違いなくあのパンチで効いていた。ネリ戦でダウンを喫した時、イノウエは片膝をつき、冷静に準備を整えていた。それが私のパンチを浴びた後は、両膝をつき、一生懸命自分自身を取り戻そうとしていた」

 しかし、その瞬間がラウンド終了間際だったことが惜しまれる。「もしも時間が残っていたら、今の私の立場は違ったものになっていたかもしれない。今では私が4団体統一王者だったかもしれない」。

 試合を通じてカルデナスが感じた井上の強さは「休むことなくパンチを繰り出してくるところ」だった。

「あんなダウンを喫したら、その時点で戦意を喪失してしまうか、打ち合いは避ける選手もたくさんいるはずだ。それでも平気な顔をして戦い続けた」

 両者の激闘は単なる打ち合いではなく、精神性の衝突でもあった。

「陳腐な表現に聞こえるかもしれないが、イノウエはサムライ・スピリットを持っている。私もメキシカン・ウォリアーのスピリットを持っていて、2つのスピリットが重なりあったがゆえにビューティフルな試合になった」

<続く>

この文章の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。

#2に続く
「私はイノウエともっと戦いたかった」井上尚弥を“最も苦しめた敗者”カルデナス…レフェリーストップ早すぎ説にコメント「“大丈夫だ!”と訴えたが…」

関連記事

#井上尚弥
#ラモン・カルデナス
#ムロジョン・アフマダリエフ
#中谷潤人

ボクシングの前後の記事

ページトップ