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「これは落ちたら…大変なことになる」SASUKE現役最強“サスケくん”森本裕介(33歳)が明かす“主役の重圧”「最後、僕がひとりになっちゃって…」
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byNanae Suzuki
posted2024/12/25 17:02
2度の完全制覇経験を持ちSASUKEのエースとなっている森本裕介。33歳になったサスケくんだが、番組の主役のひとりとしての重圧もあるという
「そのプレッシャーを感じることは多々あります」と森本は笑いながら言った。
よく覚えているのは、2018年に放送された第36回大会だ。この年、SASUKEはファイナルステージを大晦日に初めて生放送する予定になっていた。制作サイドは横浜の赤レンガ倉庫を押さえ、さまざまな許可取りもすべて済ませて大舞台の準備を整えていた。
大晦日の生放送を前に…実力者が次々と落下
事前に緑山スタジオで行われた収録では、サードステージに10人の挑戦者が残った。しかも森本以外にも漆原裕治やファイナル経験のある多田竜也ら実力者揃い。これで大晦日も盛り上がりそうだとスタッフが安堵したのも束の間、その実力者たちが次々と落下していく。
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SASUKEでファイナル進出者がいないことはあるが、せっかくの大晦日生放送に誰も残っていないとなれば番組的には目も当てられない。すべての準備が水の泡だ。誰もクリアできないまま、いよいよ最後の森本を迎える。この時、現場のひりついた空気、緊迫したムードをひしひしと感じたという。
「これは僕が落ちたら大変なことになるんだろうなと感じていました。2、3人はファイナルに行くだろうみたいな空気が流れてたのに、結果僕が残り一人になって、明らかにスタッフさんたちが青ざめてましたから(笑)。でもそれを考えちゃうと絶対に硬くなるから切り替えました。あくまで自分の夢を叶えるためにやってるんだと」
ゼッケン100番は見事にサードステージをクリアし、番組を救った。
今年の夏に行われたSASUKEワールドカップでも同じような場面があった。森本のいるジャパン・レッドチームにサードステージでミスが相次ぎ、森本がステージ終盤まで残らなければファイナルに進めないという状況になった。
「あの時もスタッフさんであったり、選手の皆さんがだいぶ慌ただしくなってましたね」
この時も森本は自分の競技に集中することでプレッシャーをねじ伏せた。