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大谷翔平に“番記者の本音”「あなたの球団は獲得に乗り出しますか?」尋ねて分かった“争奪戦の現実”「贅沢税が…」「99%ドジャースでは」
posted2023/10/27 17:01
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
誰が予想したであろうか。119回目のワールドシリーズはレンジャーズとダイヤモンドバックスの対決となった。
ともにワイルドカードでの進出。レンジャーズはア・リーグ第5シード、ダイヤモンドバックスはナ・リーグ第6シード。10月の戦いが始まる時点でさえ、この両チームで世界一を決すると予想した者は少なかったはずだ。何が起こるかわからない、野球というスポーツを物語っている。
大谷はどの球団へ行くのか?
そのワールドシリーズが終われば、その5日後にいよいよ大谷翔平がフリーエージェントのマーケットにその名を連ねる。こちらも長い歴史を振り返れば何が起こるかわからない。大谷翔平はどこへ行くのだろうか。
オフの補強はよくジグソーパズルに例えられる。それほどに各球団の補強方針は日々、目まぐるしく変動する。マーケットの動き次第。極端に表現すれば、当初はリスト外であった選手でも急遽方向転換、そして交渉、獲得。こんなストーリーは過去に幾つもある。
フリーエージェントのマーケットが開く前の現段階で、各球団ともに既に補強のファーストプライオリティーは決まっている。この時点で大谷を獲得最優先選手として挙げている球団はどこなのか。報道で獲得候補とされる球団の担当記者を中心に取材を重ねた。
カブス番記者「状況次第」
ナ・リーグ屈指の伝統強豪球団であるシカゴ・カブスを担当する大リーグ公式ページのジョーダン・バスティアン記者は言った。
「このオフ、カブスの最優先事項はコーディ・ベリンジャーとマーカス・ストローマンの残留です」
両選手はともにフリーエージェントとなる見込み。ベリンジャーは今季、打率.307、26本塁打、97打点。中堅と一塁の超絶守備力と合わせ2019年のドジャース時代にMVPに選出された輝きを取り戻した。ストローマンは開幕投手を務め、10勝9敗、防御率3.95。自身5度目の二桁勝利を挙げた。バスティアン記者は続けた。
「今の時点でベリンジャーとストローマンと並行し、大谷獲得へ動くとは到底思えない。ふたりとの契約に全力を尽くすはずです。ですが、もし、ふたりとの延長契約に成功しなかった場合、その時点で大谷がまだマーケットに残っているのであれば、獲得へ向かう可能性はあります。大谷は左打者であり先発投手。ベリンジャーとストローマンを兼ね備えています。カブスは鈴木誠也獲得の際も最初のアプローチは積極的ではありませんでした。ですが、最後は獲得できた。状況次第とは言えると思います」