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大谷翔平の異変にも球団は「心配いらない」「信じてくれ」の一点張り…“世界一の選手”とエンゼルスの関係は「対等とは思えない」 

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阿部太郎

阿部太郎Taro Abe

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posted2023/09/23 17:04

大谷翔平の異変にも球団は「心配いらない」「信じてくれ」の一点張り…“世界一の選手”とエンゼルスの関係は「対等とは思えない」<Number Web> photograph by Getty Images

8月9日に今季10勝目をあげた大谷翔平だが、23日の登板で右肘靭帯を損傷。少なからず“前兆”はあったものの、首脳陣はストップをかけることができなかった

 8月3日の登板で中指がけいれんした際には、GMによれば、大谷側にMRI検査を提案したという。だが、大谷サイドに断られた。そして球団は次の週も、大谷をスケジュール通りマウンドに送った。

エンゼルスと大谷の関係は「対等」とは思えない

「腕の疲労」で一度登板を飛ばした8月23日のダブルヘッダー第1試合で、悲劇は起こった。

 右肘靭帯の損傷――。

 エンゼルスと大谷の関係は「良好」かもしれないが、「対等」とは思えない。

 一気にメジャーの顔となった大谷と、プレーオフ進出を逃し続ける球団のバランスは、いつの間にか釣り合わなくなっていた。仮にこのタイミングで負傷していなかったとしても、いつかは破綻を招いたのではないか。

 メッツの千賀滉大は、右肘の靭帯損傷のニュースを受けて「正直、投げ方、出力、パフォーマンスも本来の彼とは少し遠い部分があった。僕だけでなく、野球好きな、大谷選手が好きな選手やファンならちょっと思っている部分があったのでは。どうにもなってなければいいなと思ったんですけど……」と話した。

 一番近くで見ていた球団のスタッフは、なおさら、大谷の異変に気づいていた可能性はある。

「世界一の選手」になるために最高の環境を作ったが…

 6年前、大谷は世界一の選手になるために海を渡った。

 そして今、メジャーの監督や選手の多くが「彼こそが世界一」だと口を揃える。世界という表現を超えて、「惑星」という言葉を使う者さえいる。「翔平は惑星で一番のアスリートだ」「彼ほど素晴らしい選手は見たことがない」と。

【次ページ】 「世界一のチームの一員」になる場所ではない

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