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「プロレス界の顔になる。最短距離で」自由すぎる一匹狼・鈴季すずが語った“ベルト総取り計画”「ジュリアに恋してる」「ドンキ寄って帰ろう」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2023/09/21 17:00
最終目標は「プロレス界の顔」。デスマッチを“休業中”の鈴季すずは、最短距離でスターダムのベルト総取りを宣言した
「プロレスデビューしてから一度も立ち止まったことがない。前にいた団体(アイスリボン)の最高峰のベルトも1年8カ月で巻いたし。普通の人が10年かかるところを4年でやってきた。このペースは変えたくない」
「絶対にDDMに来い」ジュリアの誘いへの答えは?
デスマッチを愛してやまない鈴季に、あらためてその思いを聞いてみた。
「葛西純とデスマッチやって、10番勝負を無事終えて。あのとき、自分の次の目標を果たすまではデスマッチはやらない、と決めた。でも、デスマッチを辞めたわけじゃない」
鈴季の心の中には明確な基準があるようだが、それを今は口に出さない。
「デスマッチ、YouTubeで見ますよ。プロミネンスも見てますよ。ああ、デスマッチ……。画鋲とか蛍光灯、有刺鉄線とかの痛み、刺激が欲しい」
刺激的というにはあまりある痛みが、鈴季の活力になっていた。だが、その痛みを「いったん捨てた」。今はこのスターダムのリングで、好き勝手に大暴れすることで活力を得ている。
「自分がどんな女か? むずかしいなあ。哲学の問題みたい。動物とかの群れから一人だけ離れて、好き勝手やっている感じ。群れるのは得意じゃない。そんなポジション。仲良しこよしは苦手なんで」
鈴季はスターダムのユニットに入っていない。無所属だ。だがドリーム・タッグの後、ジュリアからDDM(ドンナ・デル・モンド)に誘われた。
「酔っぱらっちまった勢いで言わせて。いつか絶対に私のタッグパートナーになれ。絶対にDDMに来い。おまえのタイミングに任せるから。絶対に来いよ」
この誘いを、鈴季はどう受け止めたのだろうか。
「ジュリアには『いつか必ず』とは言いましたけど、それがいつなのか、考えていない。一匹狼のポジションの間にまだやるべきことがあるから、それが済んでからかな。考えてやってもいいよ。気長に待ってろよ。自分のやるべきことリストがポンポンポンと進んだら、1カ月、2カ月、3カ月、半年……。やっぱりやめた、というのもあるかもしれない」