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大谷翔平の靭帯損傷は“誰の責任”なのか? ケガまでの数日間にあった、エンゼルスと大谷の決定的なミス「彼は手術を受けるのではないか」
posted2023/08/26 17:07
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
JIJI PRESS
大谷翔平は2度目のトミー・ジョン手術を受けるのか……。
8月23日、ペリー・ミナシアンGMは大谷の右肘靱帯に損傷が見つかったことを明かし、今季の投球をシャットダウンすると発表した。手術を受けるかについては、セカンドオピニオン得てからの判断と説明した。
このGM発表はエンゼルスのチームドクターが『要手術』の診断を下した証だ。だが、どの球団、選手であっても、セカンドオピニオン、サードオピニオンを求めるのは球界では自然な流れ。大谷も5年前、チームドクターの『要手術』の診断後、ある医師にセカンドオピニオンを求めた。そのドクターは診断結果を内密に教えてくれた。
「私の見解では手術の必要はない、と彼に伝えました」
だが、大谷は手術を決断した。その際、彼はこんなコメントを残した。
「やらないというプランも説明してもらって最終的には自分で決めました。しないなら、しないに越したことはないと思いましたし、それで自分の100%のものが出せるんであれば、やらない方がいいと思った。そうではないと思ったので、ここで1回リハビリ含めてもう一度しっかりやりたいなと思っています」
2018年9月25日の言葉。当時、24歳。“常に腕を思い切り振り160キロのボールで自分らしく勝負したい。そのために手術を受ける”。そういう意味だと思った。
大谷はトミー・ジョン手術を受けるのか?
29歳になった今、大谷はどこにフォーカスしているのだろうか。
2度目のトミー・ジョン手術となればリスクも増える。その一方でこの5年間で医療の世界は大幅に進歩した。
取材を通じ、感じ取った大谷の価値観から考えれば、彼は手術を受けるのではないか。投手として、24年シーズンを棒に振っても、25年シーズン開幕時はまだ30歳9カ月。この3年間と同じスタイルで、また、リハビリを通して今まで以上の二刀流として戻れる可能性もある。
固定観念にとらわれず、常に自分の可能性を信じ、常識を打ち破ってきた歴史がこの男にはある。そんな気がしてならない。