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「大谷翔平の電撃トレード、可能性が一番高いチームは? 全29球団をランキング化してみた」現地アメリカ人記者の本音予想「藤浪と“再会”もあるのか」
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byAFLO
posted2023/07/20 17:05
アメリカメディアも連日報じる大谷翔平の移籍可能性。トレード期限は日本時間8月2日だ
■4位 ドジャース
ドジャースは現在も地区首位を走っているが、チームにとってのターゲットはあくまでワールドシリーズ制覇であり、大谷を是が非でもラインナップに加えたいだろう。
しかし、大きな障害がある。モレノ・オーナーだ。「ラリー・ブラウン・スポーツ」のスティーブ・デルベッキオ記者によれば、
「エンゼルスのモレノ・オーナーは、南カリフォルニアのライバルチームに大谷を出すはずがない」
と指摘している。
さて、ドジャースはモレノ・オーナーが断り切れない条件をオファーすることができるだろうか?
■3位 レイズ
レイズは予算が少ない。ひとりの選手に年俸10億円以上出すことは稀である。この球団は育成については模範的な組織で、ファームシステムを整備し、「勝てる人材」を育ててきた。
いま、レイズは激戦のアメリカン・リーグ東地区で首位オリオールズとゲーム差なしの2位。先発投手陣が故障し、なおかつパワーヒッターが欲しい。大谷は確実にフィットする人材だし、トレードに出すプロスペクトも豊富だ。
過去15年、安定した成績を残してきたレイズだが、いまだワールドシリーズ制覇はしていない。大谷をラストピースととらえ、エンゼルスに電話をかける可能性は高いと指摘されている。
■2位 オリオールズ
オリオールズのゼネラルマネージャー(GM)であるマイク・エリアスは凄腕だ。アイビーリーグのイェール大学出身の40歳で、かつてはアストロズに勤務。そう、2017年にワールドシリーズ優勝を達成したチームをアシスタントGMとして支えた。
そして2019年、ヤンキース、レッドソックスの資金力、レイズの育成力の前に太刀打ちできなかったオリオールズのGMに就任したが、最初にファンにこうメッセージをおくった。
「すぐには勝てません。ファンの皆さんには、我慢してもらうことになります」
こう言い切れるのは、すごい度胸だ。
そしていま、58勝37敗で地区首位に立っている。
ブルペン補強に、このひと月ほど四球を出していない藤浪を獲得するなど、経済性を重視しつつ、充実を図っている最中だ。
エリアスは4年でチームを変えた。オリオールズの内野陣はマイナーを含めて、豊富な人材がそろっており、すぐにでも取引が可能だ。
果たして、凄腕GMはトリガーを引くだろうか?