猛牛のささやきBACK NUMBER
外食もお酒も「興味ないですもん」21歳・山下舜平大は素顔まで「完全に大谷翔平」だった…素朴な新怪物の“えげつない”進化の行方
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byJIJI PRESS
posted2023/07/20 11:02
選手間投票で選出されるなど、球界内の注目度もピカイチの山下
しかも、大谷の真似をしてそうしているのではなく、あくまで自然体なのだ。それがありのままの山下。興味がただ純粋に、まっしぐらに“野球”に向かっている。
純朴な見た目と、えげつないボールと
髪型も、入団した頃と変わらない黒髪のまま。
「あまりこだわりはないです。まだそこの興味がないので。パーマはたまにかけますけど。パーマをかけたほうがジャマにならなかったりするので、おまかせでやってもらっているだけなんですけど」
見た目は純朴で、表情にもまだあどけなさが残る。だがそれに不釣り合いなほど、体はどんどんゴツく、ボールはえげつなく育ってきた。
球種は高校時代から磨いてきたストレートとカーブが今も軸。入団時に最速154kmだった球速は、今シーズン159kmを記録し、重量感も増した。
「第3の球種」フォークも進化中
カーブは、今季一軍で登板を重ねる中で、落差の大きいカーブとやや変化が少なく速いカーブの2種類、本人曰く“抜く系”と“曲げる系”を意識して投げ分けている。
「カーブしかないんで。フォークは使いものにならないから、信頼してないので」と苦笑していた。
今年の春季キャンプで野茂英雄氏からアドバイスを受け、開幕から使っていたフォークは、最近の試合ではあまり投げていなかった。だが7月17日のソフトバンク戦では要所でいいコースに決まって空振りを奪うなど、有効な武器となっていた。
体格に恵まれ、ボールが一級品であるだけでなく、冷静に自己分析し考える力も持っている。今年一軍デビューしたばかりの21歳とは思えないほど地に足がついている。