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なぜ大谷翔平の二刀流は大舞台で冴えるのか…「子どもの頃と一緒なんですよ」と語っていたこと〈超速191kmタイムリー〉
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/03/11 21:08
大谷翔平は中国戦、韓国戦、チェコ戦とことごとく侍ジャパンに勢いをもたらす一撃を放っている
「今は周りに何を言われても、何も感じないですね。どっちかに絞るという感覚も、あんまりないかな。そもそも、そういう感覚があったら、ここには来てなかったと思うので、今はずっと両方ともやっていくという目標を持ってやってます」
当時はまだ解説者にも“打者専念派”や“投手専念派”が多かった。それについて問われると、こう泰然自若と語っていたという。
「バッティングにはバッティングのうまくいかないことがありましたし、ピッチングにはピッチングのうまくいかないことがあった。それは二つやってなくても、一つだったとしても変わらなかったと思います」
冷静に考えれば、高卒1年目でどちらかの成績を残しただけでも“今後のスター候補”として及第点だろう。しかしそこで満足しなかったことが、その後の覚醒につながった。
<名言3>
今年はうまくいかないことも血肉になる打席が多いと思います。
(大谷翔平/Number1009号 2020年8月20日発売)
◇解説◇
大谷にとって2020年、3年目のメジャーリーグは試練のシーズンだった。前年は登板できず、二刀流本格復帰のはずが新型コロナウイルス禍で開幕が延期。そして60試合制で開幕した後に腕を痛め、打者に専念したものの、なかなか打率が上がってこなかった。
さらには無観客での試合が続くなど「とにかく勝手がいつもと違うので、普段通りというわけにはいかないな、ということは感じています」と本人も認めていた。しかし、凡打の中でもその原因を分析するなど、大谷は1打席1打席を決して無駄にしていなかった。絶対にこの経験は今後に生きるはず――そう信じてプレーしていたからこそ翌年のMVPの活躍につながったのだろう。
その感じがいいんです。子どもの頃と一緒なんですよ
<名言4>
どのくらい打ちたいとか、いくつ勝ちたいとか、そういう気持ちはまったくありません。
(大谷翔平/Number1000号 2020年3月26日発売)
◇解説◇
大谷は数字に対して、こんなことを語っていたことがある。1年1年積み重ねた成績は何を残せたのかという指標にはなるが、それを目標にプレーしているわけではないと、はっきりと口にした。