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「えっ、84点?」山田邦子、カベポスター採点で視聴者が不安に…“空気を読まない”邦ちゃんが明かした島田紳助のメール「審査員が審査されるで…」
text by
ラリー遠田Larry Toda
photograph byBUNGEISHUNJU
posted2022/12/20 19:40
今年からM-1の審査員に抜擢された山田邦子(写真は2020年撮影)
例年の各審査員の最高点から最低点までの振れ幅は10点以内であることが多いため、最初の2組で11点差をつけている山田に対して、視聴者の多くが不安を感じた。山田の採点がここからさらに極端に上や下に振れるようなことがあれば、彼女の点数が最終結果に与える影響が大きくなり、バランスが崩れてしまうかもしれない。
だが、それは杞憂に終わった。その後、山田は1組目と2組目につけた84点と95点の振れ幅の範囲内ですべての芸人の採点を終えた。最初の2組の点数差が大きかったのは、たまたまそうなってしまっただけであり、審査システムの無理解によるものではなかったのだ。
「紳助さん、今朝メールしましたけど…」
では、審査員としての立ち振る舞いやコメントはどうだったのか。これに関しても、概ね想像通り、一部は想像以上だった、と個人的には評価している。
最近の『M-1』では、審査員の芸人たちの分析力と言語化能力の高さが際立っていて、技術的な部分の評価をわかりやすく噛み砕いて語ってくれることが多い。そういうものに比べると、山田の審査コメントは「面白かった」といった個人的な感想に終始することが多く、物足りなさを感じた人もいたかもしれない。
でも、そもそも山田は漫才が本業ではないので、漫才について細かい専門的な分析はできないだろうし、する必要もない。漫才師ではない山田と立川志らくは、漫才師とは違う目線での審査を求められてあの席に座っているのであり、山田が自分が面白いかどうかを基準に審査を行い、それを率直に語ったのは別に間違ってはいない。
もちろん、番組に彩りを添えるためにもう少しボケらしいボケを放ってくれても良かったのだが、それはお笑いコンテスト審査員の必須条件ではない。彼女は彼女なりに務めを果たしたと言える。
それよりも、私が山田らしさを感じたのは、松本人志と司会の今田耕司の間で島田紳助の話題が出た後で、彼女が話を振られて「紳助さん、今朝メールしましたけど、宮崎から見てるようです。ストレスフリーで、とっても楽しいって」と言い出し、今田が慌てて「あまり情報は言わなくて結構です」とたしなめた場面である。