天咲光由19歳が観客のハート撃ち抜く“破格”デビュー！ 靭帯断裂から復帰の飯田沙耶は「自分は泥団子」 スターダム“生え抜き”たちの未来

　プロレスラーには、2つの誕生日がある。1つは人としてこの世に生を受けた日、もう1つはプロレスラーとしてデビューした日だ。

　デビュー記念日は単に“最初に試合を行なった日”ではなく、これまでとはまったく違う“プロレスラー人生”が始まった日。プロフィールにもずっと記載されるし、ファンも推し選手のデビュー記念日をさまざまな形で祝う。

　3月11日には、スターダムで新人レスラー天咲光由（あまさきみゆ）がデビューした。高校を卒業して昨年春に入門。約1年の練習生期間を経て、品川インターシティホールでの『NEW BLOOD 1』でプロレスラーとしての第一歩を記した。

約1年の練習生期間を経て3月11日にデビューを果たした天咲光由　©Norihiro Hashimoto

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　この『NEW BLOOD』は、スターダムの新たな大会ブランド。他団体も含め注目の新鋭が数多く出場している。いわば“発掘・育成・交流（対抗）”の場だ。新鮮さがポイントになる大会だからこその、天咲のメイン起用だと言ってよかった。

「てっぺんに咲く」選手になれるようにとの意味を込めて天咲のリングネームがついた。試合を前に話を聞いたところ、中学時代はバスケットボール部。プロレス好きの父親の影響で自分も見るようになり、女子もあると知ってやってみたくなった。

　中学時代にレスラーを志し、高校時代は柔軟体操や体力作りに励んでいたそうだ。だから、たとえば柔道やレスリングで実績があるとか、何かしらの格闘技をやっていたというわけではない。

デビュー戦でのリングコール。指でピストルを作りウィンク　©Norihiro Hashimoto

観客のハートを撃ち抜いた天咲光由のデビュー

　それでもデビュー戦でメインに抜擢されたのだから、相当な期待を背負っているということだ。対戦相手は「一番強いと思う」林下詩美にお願いして快諾された。

「自分が何をやっても受け止めてくださると思います。だから思い切りぶつかっていける」

　そう意気込みを語った天咲に、林下も期待を寄せていた。いわゆる“大物ルーキー”ではないのに、だ。

　期待感の理由、その一端は入場シーンで分かった気がした。コスチューム姿にナチュラルな華がある。それまでは練習生としてジャージ姿、もしくは会見での私服姿だったから、何かもう別人の趣きだ。リングインすると指でピストルを作ってウィンク。SNSを見ると、この時点で大半の観客（と生中継の視聴者）がハートを撃ち抜かれたらしい。

　試合ぶりも堂々としたものだった。ずば抜けた動きとまでは言わないが、興奮と緊張で我を忘れたり、焦って技が雑になったりということがない。一つひとつの技を丁寧に、的確に決めていた。足を固めながらの丸め込み、大きく跳び上がって相手の頭をマットに打ち付ける変形ペディグリーとオリジナル技も。これは道場での「秘密特訓」で開発したものらしい。

林下詩美相手に、一つ一つの技を正確に決めた天咲　©Norihiro Hashimoto

　得意技の一つジャーマン・スープレックスで天咲を下すと、林下は天咲の可能性をこう語った。

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