非実業団＝現役引退、ではない…箱根5区2年連続1位・帝京大の細谷翔馬が“公務員ランナー”に「五輪を目指したい」

　2年ぶりに開催された東京マラソン。

　エリウド・キプチョゲ（ケニア）が自身の世界記録に迫ろうかという貫禄のレースを見せ、鈴木健吾（富士通）は万全な状態でなくとも日本人トップとなり、昨年樹立した日本記録がフロックではなかったことを示した。

　そして、その後方では、1人の大学生ランナーが奮闘していた。昨年、今年と2年連続で箱根駅伝の5区区間賞を獲得した帝京大4年の細谷翔馬だ。ファイアーレッドの公式ユニフォームではなかったが、これが細谷にとっての大学ラストランだった。

「調子も上がってきていて、むしろ箱根前よりも良かったんです。なので、2時間10分は切りたい、というか、切れるだろうなという感覚が自分の中にありました。

　でも、そんなに上を目指し過ぎると、足をすくわれるんじゃないかと思ったので、堅実に10分切りを目標にして。監督からも『練習でやった以上に、120％の力は絶対に出ないし、そんなに期待していないから』と言われていましたしね。いつも言われるんですけど（笑）」

　区間賞を獲得した箱根駅伝の時よりも好調と言い切れるということは、相当仕上がりが良かったのだろう。

帝京大の細谷翔馬。今年の箱根駅伝5区では区間賞を獲得している　©Nanae Suzuki

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初マラソンでも、日本記録を狙える第2集団についた

　当初は1km3分ペースで進めるつもりだった。最後まで走り切ることができれば、フィニッシュタイムは2時間6分35秒。そのペースでも十分に速いが、細谷は、日本記録を狙えるペースに設定された第2集団でチャレンジすることを決めた。

「周りには実業団の有名な方々がいたので、胸を借りようと思って走りました。初マラソンなのでチャレンジしようという気持ちでした。行けるところまで集団に付いて行って、粘ろうと」

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