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「大谷翔平の無駄遣い」をしないために、エンゼルスには“大型補強”が必要だ…“二刀流”ロレンゼンなど注目の新戦力はどんな選手?
posted2021/12/05 17:02
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Nanae Suzuki
「勝ちたい気持ちが強い。もっともっと、ヒリヒリする9月を過ごしたい。来年以降、そうなるように願っている」(大谷翔平)
エンゼルスに在籍4年の大谷がそう感じるのだから、2009年のドラフト1巡目(全体25位)指名で入団し、「エンゼルスひと筋」のマイク・トラウト外野手や、大谷より半年早い2017年の夏、金銭トレードで加入したジャスティン・アップトン外野手にとっては、屈辱的なシーズン(の繰り返し)だったに違いない。
7年連続でプレーオフ進出を逃したエンゼルス
2021年は4年連続となるア・リーグ西地区4位に沈み、2014年にア・リーグ西地区王者となって以来、7年連続でプレーオフ進出を逃した。以下は公式戦の勝敗数と1試合平均の得失点、それらの地区内における順位だ。
(1)アストロズ 95勝67敗(勝率.586) 5.33得点(1) 4.06失点(1)
(2)マリナーズ 90勝72敗(勝率.556) 4.30得点(4) 4.62失点(3)
(3)アスレチックス 86勝76敗(勝率.531) 4.59得点(2) 4.24失点(2)
(4)エンゼルス 77勝85敗(勝率.475) 4.46得点(3) 4.96失点(4)
(5)レンジャーズ 60勝102敗(勝率.370) 3.86得点(5) 5.03失点(5)
1試合平均の得失点を見れば順当で、“投打ともに地区優勝には程遠い”。2位マリナーズもワイルドカード獲得に2ゲーム差で届かなかったのだから、“プレーオフ進出も遠かった”のだが、誰の目から見ても“投手陣さえもうちょっと、何とかすれば上に行けた”のは間違いない。
幸運なことに、メジャーリーグ(MLB)は毎年、100人以上の選手が契約満了と共にFAになるので、ファーム生え抜き選手の成長を待つことなく、“金さえ積めば”補強できる。だから、エンゼルスも今オフ、懸案事項の先発投手陣の補強のため、ノア・シンダーガード(前メッツ 単年2100万ドル)とマイケル・ロレンゼン(前レッズ 単年675万ドル)をFAで獲得した。
エンゼルス新戦力2人への“期待と不安”
シンダーガードは、ブロンドの長髪と半裸姿がネット上で話題になるほどの強靭な肉体美で、スーパーヒーローたちの映画「アベンジャーズ」に登場する雷神「Thor=ソー」をニックネームに持つ。時速100マイル超えの右腕で、来季MLBで8年目を迎える29歳だ。
シンダーガードに負けないほど強靭な肉体を持つロレンゼンは、日本でも「投打二刀流」として知られる選手で、来季MLBで8年目を迎える29歳だ。今季は救援投手として活躍したが、先発志向が強く、先発しない時には外野手として出場することも可能だ。
もちろん、どんなFA選手にもあるように、彼らの未来には不安材料もあるのだが、今のところは「期待値」が上回っている。