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「小学校の先生が掲示板に東スポの記事を…」19歳でプロ9年目、スターダムの高速爆弾娘・AZMが女子プロレスに捧げた青春
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2021/11/19 17:02
未成年とは思えない、力強い視線をカメラに向けるAZM。「プロレスが青春。プロレスを通して大人になった」と濃密な10代を振り返った
11月3日、AZMは朱里のSWA王座と赤いベルト(ワールド・オブ・スターダム王座)挑戦の権利証に挑んだが、敗れた。
「朱里さんは強いなあ。高い壁です。速いし、関節技もできるし、投げ技もできるし、プロレスラーの教科書って感じ。やっていて勉強になることしかない。蹴りも、あっちは本物ですから、学ぶことが多いです。フリーの時からずっと見ていて、すごく恰好いいと思っていたから、その朱里さんと当たり前に戦えるようになったのは嬉しいですね。しかも、この間まで2勝1敗で勝ち越していた。これで2勝2敗。まだ、負け越していないですよ」
「キッドには対角にいてほしい」ライバルへの思い
今年のタッグリーグは準優勝だったが、MOMOAZ(渡辺桃とAZM)はバランスのいい、安定感のあるタッグチームだ。
「桃ちゃんとは同じユニットになる前から組んでいたので、やっぱりタッグリーグ(昨年は優勝)も取れますよね。桃ちゃんが横にいると安心。信頼しているし、桃ちゃんというリーダーがいるから、私は堂々とできる。6月に大田区(総合体育館)でシャッフルした組み合わせでタッグマッチをやったんです。私はなつぽいと組んだんですけど、『コイツできるかな』って心配の方が多かった(笑)」
スターライト・キッドが「AZMは話さなくてもわかる。AZMは永遠のライバル」と言っていたことを伝えると、AZMも反応した。
「キッドファンより私はキッドファン。どんなファンよりキッドを知っている。隣にいてほしくないな。対角がいいです。キッドが上に行けば行くほど、私も追いつきたい。追い越したいと思う。負けず嫌いなので。ライバルがキッドでよかったと思います。キッドがハイスピードのベルトを持っているかぎり、狙いはハイスピード。それを取って、その後で白いベルト。QQは連係がいいのでアーティスト(6人タッグ)も取りたいな」
リングを離れた19歳のプライベートとは?
19歳の女子プロレスラーは普段のオフはどうやって過ごしているのだろうか。
「私、プロレスしかないんですよ。プロレスで青春できている。インドアで家にいたいけど、人と会うのも好きです。QQのメンバーとよくご飯に行きます。ただ学校時代の友達とは、なかなかスケジュールが合わなくて。たぶん超忙しいと思われてる(笑)。でも2カ月に1回は遊びます。ちゃんと計画して、1泊2日でUSJ行ったり、レンタルルームでタコパしたり。みんなで食材をスーパーに買いに行くんですけど、それが楽しい(笑)。他にもショッピングモールでご飯食べたり、プリクラ撮ったり、映画見たり、服見たり……」