大谷翔平とふたりの難敵。ホームラン争い激化のシーズン終盤、二刀流はペレスとゲレロの猛追をかわせるか？

　9月第1週が過ぎた。今季のMLBも最後の直線に入った。多少のばらつきはあるものの、各チーム残すところは約25試合だ。ポストシーズンに進出するのはどのチームか。個人タイトルの行方はどうなるのか。

　なんといっても、一番気にかかるのは、大谷翔平の本塁打王が実現するかどうかだ。

　ご承知のとおり、8月以降の打者・大谷は明らかに低迷している。9月6日までの本塁打数43はMLB全体でも依然としてトップの数字だが、8月1日から9月6日までのデータを取ってみると、31試合に先発出場して、137打席、114打数、21安打、6本塁打、44三振、打率.184、OPS.691という数字が並ぶ。6月には月間13本塁打を量産していたことを思うと（月間OPSも1.312だった）、これは首をかしげたくなるほどの不調だ。

　だれしも指摘することだが、このところの大谷は球を引っ張ろうとしすぎている。相手投手の攻め方が一段ときびしくなったこともあるのだが、下半身の力で球を柔軟に弾き返していた前半戦に比べて、上体に力みやこわばりが感じられ、インサイドアウトの打法を見失っているような気がする。

　左中間への打球が激減したのはその証明だと思うが、こんなことは本人が一番よくわかっているだろう。素人の私がつべこべいってもはじまらないから、技術論はこの辺で切り上げておく。

熾烈な本塁打王争い勃発

　9月6日現在、エンジェルスの残り試合は24だが、最初の2試合はサンディエゴで行われるパドレス戦だ。DH制が採用されない試合なので、大谷が打席に立つ機会はどうしても少なくなる（まさか、外野で先発させることはあるまい）。

　となると、残り実質22試合（そのうち2～3試合には、投手として先発登板するはずだ）で、彼はどこまで本塁打数を伸ばせるのだろうか。

　50本（いまのペースだと、ぎりぎりで届く）の壁を超え、25盗塁（現在23盗塁＝リーグ4位）を記録すれば前代未聞の快記録が達成されるわけだが、50本という数字にはこの際、眼をつぶろう。正直なところ、1本差でもいいから、日本人打者史上初のメジャーリーグ本塁打王獲得に向かって前進してもらいたいと思う。

　ただ問題は、サルバドール・ペレスとブラディミール・ゲレロJr.のふたりが、このところ調子を上げ、大谷を猛追していることだ（現在37本のマーカス・シーミエンは、あと5本程度で止まるのではないか）。

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