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スターダムの新星“闘魂Hカップグラドル”白川未奈の決意「実力勝負なら、いつか追い抜ける」《2冠達成記念特別グラビア+インタビュー》 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2021/07/17 11:01

スターダムの新星“闘魂Hカップグラドル”白川未奈の決意「実力勝負なら、いつか追い抜ける」《2冠達成記念特別グラビア+インタビュー》<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

フューチャー・オブ・スターダム王者に輝いた白川未奈。次に彼女の見据える先は…?

「コズミック・エンジェルズ」は悔しい思いをしてきたからこそ…

 コズエンは現在まで6人タッグ王座防衛7回。これはタイトル史上最多記録だ。白川、ウナギはキャリア3年に満たないのだが、昨年からベルトを手放していない。リーダーのたむに頼りきりと言われることもあるが、8回のタイトルマッチでフィニッシュを取った回数はたむ3回、白川とウナギが2回ずつ(1試合は引き分け)。全員が“ポイントゲッター”と言っていい。

「コズエンはどのユニットより横にある手を取る力が強いと思います。同時に、横にいる2人より前に出よう、上に行ってやろうという気持ちも強い。ピンチになったらタッチして助け合うし、それは自分が出ていって勝負を決めたがっているということでもある。そのバランスが凄くいいと思う」

 たむと白川の性格について、ウナギは「月と太陽」と言っていたそうだ。それくらい正反対。ただ芸能界で同じ経験をしてきた部分もある。白川によると「泥水すすってきた」。たむは「地獄を見てきた」という。

「3人とも、アイドルやグラビアの世界で悔しい思いをしてきたので。世の中は理不尽だと思うことが多かった。だからプロレスの世界で、実力で絶対に輝いてやるという気持ちが強いですね。スターダムにかける気持ちは、生え抜きの選手よりもあるんじゃないかなって」

「プロレスは自分がずっとやりたかった仕事に一番近い」

 今の目標の一つは、フューチャー王座を短期間にたくさん防衛すること。8月5日がデビュー3周年、つまりベルト保持期限だから、そこまでに何度もタイトルマッチがしたいという。海外で試合をする夢も諦めてはいない。これまでメキシコ、スペインで試合をしたが、まだまだ行きたい国はある。

「大学も英米文学科を選んだり、世界中たくさんの人とコミュニケーションを取りたいと昔から思ってたんです。就職の時も外資系の会社とか海外のエアラインのCAに応募したり。今は日本中で試合をして、それだけでも“旅人だな”って充実感がありますね。スターダムを初めて見る人が目をキラキラさせて拍手してくれるのを見ると、入場しながら泣きそうになるんですよ。それを世界でやりたい。世界に白川未奈という存在を届けたいし、死ぬまでにできるだけたくさんの人に会いたい。死っていうのは毎日、意識してますね。悪い意味じゃなく、いつか死ぬんだから後悔しないようにって。考えてみたら、プロレスって世界中でやってるし、言葉が通じなくても喜怒哀楽を伝えることができる。自分がずっとやりたかったことに一番近い仕事かもしれない。ここまで回り道しましたけど、だからよかったとも思います」

どこに行っても自分のやり方で“闘う”強さ

 もし若かったら、バックパッカーのように海外を放浪しながら試合をするような生活を送ってみたかったと白川。しかしすぐに「べつに今からでも遅くないですよね(笑)」と言い直した。

 芸能界に入る時も、プロレスラーになる時も「もっと若ければ」と言われた。「何でグラビア?」、「どうしてプロレス?」、あるいは「急に柔術なんてどうしたの?」とも。そう言われるたびに反骨心がわいて強くなれた。どこに行っても自分のやり方で“闘う”強さだ。

 若くなくても結果は出せる。試合で勝てなくても写真集の売り上げとインパクトでは勝てる。試合でだって、いつか勝てるようになる。彼女がスターダムに来たばかりの頃、1年経たずにベルトを2本巻くと予想できた人間がどれだけいただろう。白川未奈の闘い方は、業界最大の女子プロレス団体でも見事に通用している。努力は必ず報われる、かもしれない。少なくともプロレス界でなら。

(撮影=杉山拓也)

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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