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井岡一翔の「薬物疑惑」騒動はなぜ起きたのか? 謝罪したJBCが“すべきではなかった”こととは

posted2021/07/14 17:02

 
井岡一翔の「薬物疑惑」騒動はなぜ起きたのか? 謝罪したJBCが“すべきではなかった”こととは<Number Web> photograph by KYODO

7月12日の記者会見にて、JBCの永田有平理事長(右)を見つめるWBOスーパーフライ級王者の井岡一翔

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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 WBO世界スーパーフライ級チャンピオンの井岡一翔(Ambition=15日から志成)のドーピング疑惑騒動で、問題の原因を作った日本ボクシングコミッション(JBC)の永田有平理事長と井岡が12日、都内のホテルで記者会見を開き、永田理事長が井岡に謝罪文を手渡し、これを井岡が受け入れた。井岡が「一つのけじめ」と話したように、4月に勃発した騒動は今回の手打ちでいちおうの決着をみたわけなのだが――。

大みそかの世界タイトルマッチから、家宅捜索を受けるまで

 少し長くなるが今回の騒動の経緯をまずはおさらいしたい。

 ことは“史上最高の日本人対決”と銘打たれた昨年大みそかの世界タイトルマッチで、井岡が挑戦者の田中恒成(畑中)を退けて王座防衛に成功したことに始まる。このときのドーピング検査で井岡から禁止薬物が検出され、それが大麻の成分だったことからJBCが警察に相談し、井岡が家宅捜索を受ける事態に発展。これが週刊誌報道で発覚すると井岡への誹謗・中傷が渦巻き、世間を巻き込む騒動にいたったのである。

 井岡が身の潔白を主張し、JBCが第三者による倫理委員会に調査を依頼した結果、JBCのドーピング検査は検体の管理がまったくダメで、そもそも検査自体が意味をなさないものだったことが判明。「井岡はシロ」とはっきり認定され、言われなき罪を井岡にかぶせる形となったJBCは平謝りとなり、今回の公開謝罪にいたった。

【次ページ】 JBCが井岡を警察に“売った”ことが最悪の結果を招いた

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