矢野燿大の名言 

5年前、下柳剛、赤星憲広との座談会に参加した矢野。これはその時の星野仙一に関するエピソードだ。3人が口をそろえて星野の凄さを語ったのは「選手の操縦」だった。矢野の競争心を煽るように実力者である野口寿浩捕手を獲得。赤星の負けず嫌いな性格を知ってか、記者の前であえて「代走要員や」とコメント。発破をかけられた2人はそこから大きな飛躍を遂げている。興味深いのは“怒り”の矛先だ。打たれた日、公の場で叱責される矢野の姿を見た下柳は「次はしっかり投げなアカンなあ」と反省したという。現在、矢野は阪神の指揮官としてその経験をチームに還元している。タイプは異なるが、星野イズムを継ぐ監督・矢野燿大はどんなタイガースを作っていくのだろうか。

Number885号(2015/09/03)